近年、FX取引の世界では、これまでのパソコンに代わりスマホアプリが普及しています。
スマホはパソコンと異なり、時と場所を選ばず手軽にトレードができるメリットがありますが、画面サイズの制約から、見やすさ、使いやすさや提供情報に制限を受けるというデメリットもあります。
そのため、見やすく使いやすく、提供情報が豊富なスマホアプリを探す必要がありますが、国内FX業者の中でどのスマホアプリが使いやすく性能が良いかは、実際に使用してみないとわかりません。
そこで本記事では、GMOクリック証券FXneoのスマホアプリを取り上げ、デモトレードでアプリの使い勝手を検証してみました。
結論から申し上げれば、GMOクリック証券のアプリは、初心者が見やすく使いやすく、中・上級者もチャート分析など高い機能に満足できる取引ツールと判断できます。
はじめに、GMOクリック証券のアプリに『向いている人、向いていない人』についてまとめてみました。
GMO クリック証券(FXネオ)のアプリに向いている人
GMOクリック証券(FXネオ)のアプリに向いていない人
目次
はじめに、スマホアプリはどのような点に注意して選んだらよいかについて考えてみましょう。
スマホアプリ選びの一つ目のポイントは、「見やすさ」です。
スマホはパソコンに比べると画面のサイズが小さいため、取引画面やチャートの見やすいことが最優先事項となります。
取引画面やチャートが見難いアプリでは、快適にトレードができないため疲れやすく、判断ミスも起こしてしまいます。
スマホアプリでは、画面の見やすさが最も重要なポイントです。
二番目のポイントは、「使いやすさ」です。
いくら画面が見やすくても、操作方法がわかり難い、複雑な操作を要求されるなど、使い難いアプリでは安心してトレードに専念できません。
したがって、操作が簡単で使いやすいアプリを優先的に選ぶようにしましょう。
三番目のポイントとしては、「分析のしやすさ」をあげることができます。
FXで勝つには、相場の分析が重要です。
その相場分析には、チャートやインジケーター、描画機能などが必要になります。
したがって、スマホアプリを選ぶ際には、チャートに備わっているテクニカル分析や描画機能の種類・操作方法などを把握することが大切です。
トレードに最低限必要なテクニカル分析や描画機能が揃っており、操作方法も難しくないアプリが望ましいでしょう。
次に、GMOクリック証券の基本情報やスマホアプリについてみていきましょう。
GMOクリック証券は、GMOインターネットグループに所属し、FXをはじめ株式、投資信託、CFDなど多彩な投資サービスを展開している金融取引会社です。
また、GMOクリック証券は、FX取引高が7年連続で世界1位の実績を誇る日本を代表するFX業者でもあります。
会社名 | GMOクリック証券株式会社 |
---|---|
本社所在地 | 東京都渋谷区道玄坂1-2-3 渋谷フクラス |
設立 | 平成17年10月28日 |
資本金 | 43億円4,666万3,925円 |
取扱通貨ペア | 20通貨ペア |
スプレッド | 米ドル/円0.2銭、ユーロ/円0.5銭、ポンド/円1.0銭、ユーロ/米ドル0.4pips |
取引手数料 | 無料 |
レバレッジ | 最大25倍 |
取引単位 | (一部通貨は10万通貨単位) |
GMOクリック証券FXneoのスプレッドは、米ドル/円0.2銭、ユーロ/円0.5銭、ユーロ/米ドル0.4pipsなど業界で最狭の水準を達成しています。
また、スプレッド縮小キャンペーンを随時実施しており、キャンペーン期間中は上記のスプレッドがさらに狭くなります。
スキャルピングやデイトレなど短期売買をメインに取引を行う場合は、この狭いスプレッドでコストを圧縮できるため、有利な条件のトレードが可能になります。
また、GMOクリック証券FXneoのPC用取引ツールである「はっちゅう君FXプラス」は、その使い勝手やレスポンスの良さから非常に高い評価を得ています。
GMOクリック証券は、所属グループのバックボーンや企業の営業実績などからみて、その信頼性が高く安全に投資を行うことができる会社といえるでしょう。
FXネオのアプリは、iOS版(iphone用)とAndroid版の2種類が用意されています。
iOS版とAndroid版は、どちらも無料でダウンロードすることができますが、機能的に差はありません。
なお、本記事ではAndroid版に基づき解説します。
それでは、FXネオのアプリについて、その使い勝手をデモトレードによって検証してみましょう。
まず、取引画面をそれぞれみていきましょう。
ホーム画面は、上段に余力(純資産額)や評価損益、証拠金維持率などが表示され、下段に各種のメニューが並んでいます。一目でわかりやすいデザインになっています。
トレード画面は、現在のトレードの状況を把握するもので、建玉一覧や注文一覧、約定履歴などを見ることができます。
【左:ホーム画面、右:トレード画面(買いポジションあり)】
各通貨ペアのレート一覧です。
現在の余力情報、すなわち時価評価総額や口座残高などを確認できる画面です。
【左:通貨ペア画面、右:余力情報】
ニュースや経済カレンダー、各通貨ペアのミニレート(レートの一覧)などを見ることができます。
ニュースは、それぞれの項目をタップすると詳細な記事を読むことができますが、デモ取引では項目のみしか見ることができません。
【左:ニュース画面、右:経済カレンダー】
各取引画面は、見やすく読みやすく設計されているため、長時間眺めていてもあまり疲れません。
チャートは背景色が黒色で、ローソク足の陽線が赤色、陰線が青色とわかりやすい配色となっています。
足の種類は、次の中から選ぶことができます。
①ローソク足
②ライン
③ドット
④バー
また、時間足は次の16種類から選ぶことができます。
①Tick
②1分 ③3分 ④5分 ⑤10分 ⑥15分 ⑦20分 ⑧30分
⑨1時間 ⑩2時間 ⑪4時間 ⑫6時間 ⑬8時間
⑭日 ⑮週 ⑯月
【チャート画面・ローソク足・横表示】
チャートは、縦表示と横表示をワンタッチで切り替えることができます。
チャートは、単独表示のほか、4分割にして別個の時間足を同時に表示することができます。
また、スピード注文パネルの上部にチャートを表示することができるため、スキャルピングなどの短期売買に重宝します。
【左:4分割チャート、右:スピード注文画面にチャートを表示】
さらに、横表示のチャートでは、「SPEED」ボタンを押してワンタッチでスピード注文パネルを表示させることも可能です。
【横表示チャートにスピード注文パネルを表示】
さらに、FXネオのアプリ独自の機能として「Action(アクション)」ボタンがあります。
Actionボタンをタップすると様々なラインが表示され、以下のようにチャート上でラインを指定して注文や決済ができます。
新規注文、決済注文を行いたいレートをラインで指定してActionボタンをタップすると、指定した価格で新規・決済注文ができます。
建玉がある場合は、建玉サマリーラインが表示されます。
決済したい建玉のラインを指定してActionボタンをタップすると、決済注文ができます。
指値注文、逆指値注文がある場合は、注文ラインが表示されます。
注文ラインを指定してActionボタンをタップすると、注文変更や取消ができます。
【レートライン(緑のライン)を表示】
新規注文画面には、次の注文メニューがあります。
①成行
②通常(指値・逆指値)
③OCO
④IFD
⑤IFD-OCO
トレードに必要な注文方法は、一通り揃っているといえます。
また、新規注文画面とは別に、スピード注文画面も用意されています。
スピード注文は、成行でワンタッチ注文が可能な仕様となっているため、スキャルピングに最適です。
スキャルピングでは、スピード注文画面を単独で使うよりも、上で説明したようにスピード注文画面の上部にチャートを表示させる方が便利です。
【左:新規注文画面、右:スピード注文画面】
新規注文画面、スピード注文画面ともにシンプルでわかりやすい設計になっています。
なお、注文の際は、次のように様々な方法で素早く注文パネルを開くことができます。
①横表示のチャートで、「SPEED」ボタンを押してスピード注文パネルを表示させる
②すべての画面共通に、下段メニューの「スピード注文」をタップし、スピード注文パネルを表示させる
③通貨ペア画面でレートをタップし、新規注文パネルを表示させる
④トレード画面でレートをタップし、新規注文パネルを表示させる
チャートのテクニカル分析は、トレンド系が7種類、オシレータ系が5種類の計12種類が用意されています。
このうち、同時表示が可能なのは、トレンド系7種類、オシレータ系3種類(横表示の場合は2種類)となります。
①単純移動平均線
②指数平滑移動平均線
③ボリンジャーバンド
④一目均衡表
⑤スーパーボリンジャー
⑥スパンモデル
⑦平均足
①MACD
②RSI
③DMI / ADX
④ストキャスティクス
⑤RCI
【左:ボリンジャーバンド・MACD、右:一目均衡表・スローストキャスティクス】
テクニカル分析は色彩の対比がはっきりしており、非常に見やすく作られています。
また、インジケーターの設定画面では、パラメータ設定の枠とともに各インジケーターの説明や使い方(買いサイン・売りサインの見方など)が記載されています。
インジケーターの追加・削除やパラメータの設定も特に難しくありません。
チャートの描画ツールは、次の11種類が用意されています。
①トレンドライン
②チャネルライン
③垂直線
④水平線
⑤四角
⑥三角
⑦楕円
⑧フィボナッチ・リトレースメント
⑨フィボナッチ・タイムゾーン
⑩フィボナッチ・ファン
⑪フィボナッチ・アーク
以上のように、FXネオのアプリでは非常に豊富な描画ツールが用意されています。
描画方法は、チャート上で「ペンマーク」をタップして、好みの図形マークを選びます。
その状態でチャートをタップすればラインが表示されるので、好みの位置にスライドさせます。
描画の際にマグネットモードにすれば、ローソク足の高値・安値にラインを自動的に合わせてくれるため、描きやすくなります。
削除する場合は、消したいラインをタップして「削除」ボタンを押すだけです。全部消したい場合は「全削除」ボタンですべて消えます。
描画ツールの使い勝手は、全体的に良いといえるでしょう。
【チャートにトレンドラインを表示】
GMOクリック証券のアプリを起動させなくても、レート、チャート、経済カレンダー(iPhone用はレート、チャートのみ)などをスマホのホーム画面に表示させることができる「ウィジェット」が備えられています。
【左:チャートウィジェット、右:レートウィジェット】
【経済カレンダーウィジェット】
チャートウィジェットの足種は、Tick・1・5・10・30・60分足から選ぶことができます。
レートウィジェットでは、あらかじめ指定したレートに達するとアラート通知してくれる機能があります。
経済カレンダーウィジェットでは、通知時刻を設定(5分前など)しておくと、指標発表前にアラート通知してくれます。
これまでFXネオのアプリを検証してきましたが、その結果をMT4と比較し以下にまとめてみました。
検証項目 | 評点(★5点満点) | MT4との比較 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
◆MT4 | ◆FXネオ (GMOクリック証券) | |||
取引画面 (各画面) | ⭐️⭐️⭐️⭐️ | 【評価】 ・見やすさ=○ ・使いやすさ=○ | 【評価】 ・見やすさ=◎ ・使いやすさ=○ | ・取引画面は、全般的に見やすくわかりやすく設計されている |
チャート | ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ | 【種類】 ・線種:3種類 ・時間足:9種類 ・チャート同時表示数:1 【評価】 ・見やすさ=◎ ・使いやすさ=○ | 【種類】 ・線種:4種類 ・時間足:16種類 ・チャート同時表示数:4 【評価】 ・見やすさ=◎ ・使いやすさ=○ | ・チャートは、色彩が鮮やかで見やすい ・線種、時間足の種類、チャート同時表示数ともにMT4より多い ・チャート上でラインを指定して注文や決済ができるAction機能がある。 |
注文方法 | ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ | 【種類】 ・注文パネル:2種類 ・注文方法:3種類 ①成行 ②指値 ③逆指値 IFD・OCO・IFO注文も可能であるが、わかり難い 【評価】 見やすさ=○ 使いやすさ=○ | 【種類】 ・注文パネル:2種類 ・注文方法:6種類 ①成行 ②指値 ③逆指値 ④OCO ⑤IFD ⑥IFD-OCO 【評価】 見やすさ=◎ 使いやすさ=◎ | ・注文パネルは、見やすく使いやすい ・注文方法の種類はMT4より多い ・MT4より操作性は上 |
テクニカル分析の種類 | ⭐️⭐️⭐️⭐️ | 【種類】 トレンド:7種類 オシレータ:13種類 ボリューム:4種類 ビル・ウィリアムズ:6種類 【評価】 見やすさ=◎ 使いやすさ=○ 分析のしやすさ=◎ | 【種類】 トレンド:7種類 オシレータ:5種類 【評価】 見やすさ=◎ 使いやすさ=◎ 分析のしやすさ=△ | ・テクニカル分析の種類はMT4が多い ・テクニカル分析の種類はMT4が多い ・分析のしやすさではMT4が上 ・FXneoもトレードに必要なインジケーターは装備されている |
描画ツール | ⭐️⭐️⭐️⭐️ | 【種類】 ライン:6種類 チャンネル:4種類 ギャン:3種類 フィボナッチ係数:6種類 エリオット波動:2種類 図形:3種類 【評価】 見やすさ=◎ 使いやすさ=○ 分析のしやすさ=◎ | 【種類】 11種類 【評価】 見やすさ=◎ 使いやすさ=◎ 分析のしやすさ=○ | ・描画の種類はMT4が上であるが、FXneoも11種類と非常に多い ・FXneo は、分析のしやすさではかなり優秀 |
総合評価 | ⭐️4.4 | ★の合計22÷項目数5=4.4 |
【MT4アプリとの比較】
FXネオのアプリについて、主にMT4 アプリとの比較で評価してきました。
FXネオのアプリは、非常に見やすく使い勝手が良くできているため、その点ではMT4のアプリより評価が上回りますが、指標や描画機能などの分析力ではMT4のアプリにはかないません。
ただし、FXネオのアプリも国内業者の中では非常に充実した描画機能を持っています。
ここで、GMOクリック証券と並んで国内FX業界で双璧をなすDMM FXのアプリと比較してみましょう。
DMM FXのアプリとFXネオのアプリの共通点は、両者ともに大変見やすく使いやすくできていることです。
このため総合的にみると、どちらも高評価で良い勝負にみえますが、複数の視点から比べると差が生じる部分があります。
取引画面 | チャート | 注文方法 | テクニカル分析の種類 | 描画ツール | |
---|---|---|---|---|---|
DMM FX | ⭐️⭐️⭐️⭐️ | ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ | ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ | ⭐️⭐️⭐️⭐️ | ⭐️⭐️⭐️ |
GMOクリック証券 FXネオ | ⭐️⭐️⭐️⭐️ | ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ | ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ | ⭐️⭐️⭐️⭐️ | ⭐️⭐️⭐️⭐️ |
各種取引画面やチャートは、どちらも非常に見やすく使いやすくできており、甲乙を付けるのは難しいでしょう。
注文パネルや注文方法は、どちらも機能的に同程度で使い勝手も良くできています。
テクニカル指標は、DMM FXのアプリの11種類に対しFXネオのアプリは12種類ですが、使い勝手を含めて大差はありません。
描画ツールは、DMM FXのアプリが水平線と垂直線の2種類だけなのに対し、FXネオのアプリは11種類と充実しており、この描画機能の差が両者の評価の唯一の差になります。
この他、FXネオのアプリには上で紹介したウィジェットがありますが、DMM FXのアプリも起動なしで配信レートや経済指標についてアラートしてくれる機能があるため、あまり差はつきません。
なお、DMM FXのアプリの詳細は、以下の記事で紹介していますので、ぜひご一読ください。
【DMM FX】スマホアプリの使い勝手を実際に検証してみた!
最後にFXネオのアプリが『向いている人、向いていない人』についてまとめてみました
GMO クリック証券(FXネオ)のアプリに向いている人
GMOクリック証券(FXネオ)のアプリに向いていない人
GMOクリック証券 FXネオのアプリは、初心者が見やすく使いやすく、中・上級者もチャート分析など高い機能に満足できる取引ツールといえます。
口座開設は無料なので、とりあえず開設しておくのも良いのではないでしょうか。
三原怜
私は、以前地方自治体に勤めていましたが、退職してFXトレーダーに転向しました。トレード歴は、通算で約10年間になります。 トレーダーになった動機は、相場が人間心理の凝縮された生き物のように思え、その神秘的なベールを、テクニカル分析などの手法で読み解いていく面白さを知ったからです。 みなさんも自分なりの角度から、ぜひ相場に挑戦してみてください。
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