「フラッグは、トレードでどう使うの?」
「フラッグでエントリーするときの注意点が知りたい」
そんな悩みをあなたもお持ちではないでしょうか。
チャートパターンを活用したエントリーは、シンプルで扱いやすく、FX初心者にもオススメといえます。
なかでもフラッグは、トレンドの継続を示すチャートパターンとして有名です。
フラッグはチャート上にもよく出現し、トレードチャンスもいっぱいあります。
ところが、使い方を間違うと痛い目にあうので、注意が必要です。
私自身、初心者の頃はチャートパターンを見つけては、エントリーばかりして失敗していました。
けれど、今回紹介する4つの注意点を意識するようになって、トレード歴8年目の今では得意とするパターンの1つとなっています。
この記事では、フラッグでエントリーするときの注意点を実際のチャートで説明しています。
すぐにトレードで使える内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
フラッグは、多くのトレーダーに意識されるチャートパターンの1つです。
なぜなら、トレンドの継続を示すサインだからです。
ですから、フラッグがチャート上に見られたら、トレンドの再開にうまく乗る絶好のチャンスといえます。
まずは特徴を押さえておきましょう。
フラッグとは、大きなトレンド中によく発生するチャートパターンのことです。
高値と安値にそれぞれ平行のライン(チャネルライン)を引けるのが特徴です。
実際のチャートではキレイに平行になることは珍しく、「フラッグかもしれない」というある程度の予想は必要になってきます。
トレンドの継続パターンとして知られており、トレンド方向にブレイクしやすい傾向があります。
フラッグが重要なのは、次の値動きが予想しやすい形だからです。
なぜ予想しやすいかというと、トレンドと同じ方向に抜ける傾向があるからです。
つまり、価格が上昇してきてフラッグになったのか、それとも下落してフラッグになったのかで、どちらの方向に動きやすいかある程度分かるといえます。
ですから、フラッグに気づけば、迷わずポジションを立てる準備ができるといえるでしょう。
一言でいえば、素早い判断ができるということですね。
以上のことから、フラッグをチャート上に見つけることは大切といえるのです。
フラッグには、次の2種類があります。
【2種類のフラッグ】
・上昇フラッグ
・下降フラッグ
上昇トレンド中に現れるのが「上昇フラッグ」、下降トレンド中に現れるのが「下降フラッグ」。
上昇フラッグは、右肩下がりの平行ライン(チャネルライン)が引けます。
下降フラッグはその逆ですね。
上昇フラッグなら上にブレイク、下降フラッグなら下にブレイクする傾向があります。
フラッグは、トレンド発生中におきる調整の動きです。
そのため、安易に逆ポジションをもたないように注意が必要といえるでしょう。
フラッグと似たようなチャートパターンに、ペナントがあります。
ペナントは上記のような三角形をしています。
三角持ち合いを小さくしたチャートパターンに似ているといえるでしょう。
フラッグと同じで、トレンドの途中にできる継続のチャートパターンです。
両者は形も違いますが、抜けた後の値動きにも違いがあります。
フラッグが、大きな流れとはいったん逆の方向に動いてからブレイクするのに対して、ペナントは少しずつ値動きが小さくなって、最後に一気にブレイクしていきます。
そのためペナントの場合、パターンを抜けた後は戻さずに、そのまま大きく動くことがあります。
したがって、ペナントをチャート上に見つけた場合は、早めのエントリーを心がける必要があるといえます。
続いて、フラッグを使ったエントリー方法について紹介します。
チャート上にフラッグを見つけたときに、初心者でも取り入れやすいエントリー方法として次の2つのポイントがあります。
1. サポート・レジスタンスを活用したポイント
2. ブレイク後の押し目・戻り目を狙ったポイント
ちなみに下降フラッグも考え方は一緒です。
では、早速みていきましょう。
フラッグを使ったエントリーで理想的なポイントは、上図①の部分。
なぜなら、サポートラインが近く、チャネルライン下限からエントリーができるからです。
ようするに、損小利大のトレードができるということですね。
今までレジスタンスとして機能していたラインが、上に抜けたことにより今度はサポートラインとしての役割を期待できます。
そして、平行ライン(チャネルライン)の下限もサポートラインの役割をはたすことがあります。
実際のチャートで見てみましょう。
チャネルラインの下限に近づくにつれ、下ヒゲがドンドンでていますね。
そして、サポートライン(青線)まで価格が落ちてきたところで、大きな下ヒゲ(ピンバー)をつけて上昇していきました。
注意点としては、まだフラッグを抜けていないということです。
そのため、再びチャネルライン上限で戻される可能性もシナリオに入れておく必要があるでしょう。
サポートライン近くでエントリーできれば理想的ですが、サポートラインが分かりづらかったり、そこまで価格が落ちてこなかったりするケースも多々あります。
そこでもうひとつ紹介したいのが、ブレイクした後の押しや戻りを待ってからエントリーする方法です。
フラッグをローソク足が実体でブレイクしたのを確認し、押し目(戻り)を待ちます。
待つポイントとしては、上のチャート図のようにチャネルラインまで引き付けるのをイメージするといいでしょう。
理由としては、チャネルラインはそのままレジスタンス・サポートラインの役割をになうからです。
今までレジスタンスラインとして機能していたチャネルラインが、上抜けしたことにより、今度はサポートラインとしての役割が期待できます。
ブレイクしてから押しや戻りを待ってエントリーする方法は、より安全にトレードしたい方にピッタリといえます。
というのは、ブレイクした後の反発を確認してからのエントリーなので、ダマシの可能性が低くなっているからです。
さらに、損切りも近くに設定できるのでリスクも少ないといえるでしょう。
もちろん、フラッグを抜けてそのまま戻さないこともありますが、あせらず自分のイメージどおりになったときだけトレードすることが大切ですね。
フラッグはチャート上によく出現しますので、エントリーチャンスはたくさんあるといえるでしょう。
一方で、100%勝てるというものではありません。
フラッグなどのパターンは、チャート上に引こうと思えば、いくらでも引けてしまいます。
トレーダーによってはフラッグと認識していないケースもでてくるのです。
そのため、フラッグを抜けたからといって必ずしも動くとは限りません。
また、相場には『ダマシ』といった反対方向への動きもあります。
そこでここでは、エントリーする際の4つの注意点を紹介します。
4つの注意点をおさえておくことで、フラッグを使ったエントリーの勝率を高めることができるでしょう。
・サポート・レジスタンスラインの転換を活用する
・トレンドの流れを必ず意識しておく
・フラッグの角度に注意する
・ブレイクではエントリーしない
フラッグがチャート上に見られた場合、この4つの注意点を意識しておくことが大切です。
エントリーポイントの項目で説明しましたが、エントリーする際にはサポート(レジスタンス)ラインをうまく使うことが重要です。
そこで大切になってくるのが、レジサポ転換(別名:ロールリバーサル)
レジサポ転換とは、今までレジスタンスとして機能していたラインが、ブレイクされると役割が反転してサポートラインになることです。
これとは逆に、サポートラインがブレイクされることで、レジスタンスラインの役割になることをサポレジ転換といいます。
また、レジサポ転換は水平線で使われることが多いですが、トレンドラインや移動平均線でも機能することがあります。
レジサポ転換は、多くのトレーダーたちが注目しているプライスアクションです。
そのため、フラッグと組み合わせることで、より優位性の高いトレードが可能となります。
フラッグは、トレンドの継続を示すチャートパターンです。
つまり、今までのトレンド方向にエントリーするのが鉄則といえます。
しかしながらフラッグは、一時的に大きなトレンドと逆方向への動きを作るので、トレンドが転換したと勘違いしてしまうことがあります。
間違った方向にエントリーしたり、ダマシを避けたりするためにもトレンドの流れは必ずおさえておきましょう。
トレンドの流れを意識するためには、
・大きい時間足のチャートを確認する
・ローソク足のサイズを小さくして、なるべく多くのローソク足を表示する
上記2つの方法が有効です。
特にローソク足を多く表示する方法は、わざわざ大きな時間足を見なくても全体の流れがつかめるし、チャートパターンを見つけやすくなるのでオススメです。
このような方法などを使いながら、トレンドの方向を意識することが重要です。
フラッグを探すときには角度に注意しましょう。
角度が急すぎるというのは、反対方向への勢いが強いということを意味します。
勢いがある方向と反対に仕掛けるのは、それだけリスクが高いといえます。
もちろん、「△△°からダメ」というような数字で表すことはできませんが、ゆるやかな水平に近いフラッグのほうが成功する可能性は高いといえます。
角度に注意すると同時に、しっかりと陽線と陰線がフラッグのなかで現れていることも大切です。
陰線(陽線)ばかりフラッグ上にでているのであれば、そもそも山と谷ができておらず、うまくラインが機能しません。
上図のような、フラッグのなかで山と谷ができていれば理想的です。
角度に関しては経験や感覚的な部分があるので、ご自身でも検証してみてください。
先ほどのエントリー手法では説明しませんでしたが、フラッグを使ったエントリー方法としてブレイクで入るパターンがあります。
むしろ一般的な説明では、ブレイクエントリーを紹介しているケースが多いと思います。
しかし、私としてはブレイクを推奨しません。
なぜなら、損切り幅が広く、ダマシにあう可能性も高いからです。
フラッグを抜けたと見せかけて、ヒゲになって戻ってくることがよくあります。
当然ながら、どのエントリーポイントでもダマシにあうことはありますが、ブレイクエントリーでは損切り幅が広すぎます。
言いかえれば、リスク・リワードが悪すぎるのです。
もし、ブレイクでエントリーするのであれば、損切り幅を狭くするか、利益目標を高くしなければなりません。
ただし、どちらもFX初心者には難しい判断が必要です。
そのため、ブレイクではエントリーせずに押し目・戻りを待つことをオススメします。
相場では一方通行の動きにはなりません。
押し目・戻り目を作るのを待って、流れを確かめてからエントリーした方がリスクも少ないといえるでしょう。
FXで利益を残していくためには『損小利大』の考えが大切だといわれています。
そこでここでは、フラッグの損切りの目安と利益目標について紹介いたします。
なお、下降フラッグも考え方は一緒です。
損切りは、サポートラインまたは直近の安値を目安にする
利益目標については、パターンの高さをブレイクポイントに当てはめる
損切りラインの目安は、サポートラインまたは直前の安値のすぐ下にいれるのがセオリーといえます。
そこを抜かれるとエントリーした根拠がなくなるからです。
サポート(レジスタンス)ラインを活用したエントリーの場合、損切りラインはシンプル。
サポートラインの少し下あたりにいれるのが一般的です。
サポートラインで反発したのを確認してエントリーしたので、そのサポートラインを下に抜かれるとエントリーの根拠がくずれます。
押し目や戻りを待ってエントリーする場合の損切りラインは、押しや戻りが入ったところの近くにおくのが一般的です。
フラッグの一番下におくパターンもありますが、こちらはブレイクエントリーと一緒で、損切り幅が大きくなるので注意が必要です。
いずれにせよ相場に100%はないのですから、損切り設定は必ずしましょう。
利確はトレードで最も難しい技術といわれています。
利益はできる限り伸ばすのが理想的ですが、欲張りすぎて戻してしまっては元も子もありません。
そこでフラッグでエントリーした場合の、シンプルな目標値の算出方法をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
一般的な利益目標の算出は、パターンの高さ(AB)を測り、ブレイクポイント(C)に当てはめる方法です。
つまり、AB=CDということですね。
フラッグやペナントには、「旗竿から半旗の位置ではばたく」という言葉があります。
これは、価格はフラッグ形成以前の値動きと同程度動くということを表しています。
その考えを取り入れた目標値ですね。
これはあくまでも目安ですが、利確のルールとしてはシンプルでオススメです。
もちろん、目標値に届かなったり、さらに伸びたりすることもあるでしょう。
その場合でも、同じルールで繰り返しトレードを続けることが重要です。
フラッグに代表されるチャートパターンは、多くのトレーダーたちが注目しています。
それだけトレードで勝ちやすい・利益を残しやすいからだともいえるでしょう。
しかしながら、初心者の方がいきなりチャートにパターンを当てはめて勝ち続けるほど、FXはカンタンではありません。
やみくもにフラッグでエントリーしているだけでは、なかなか上達のスピードも速くならないと思います。
そこで私がオススメするのは、次の4つのステップを実践することです。
1. トレード記録を取り続ける
2. 根拠あるエントリーを心がける
3. トレードを振り返り、次に活かす
4. 損小利大のトレードを意識する
『1.記録を取り続ける』ことは最も重要です。
トレード記録を残していなければ2~4のステップを実践はできませんから。
「自分がどういったトレードをしているか」記録を残すからこそ、反省も改善もできるのです。
チャートパターンを取り入れつつ、上の4つのステップを意識してください。
そうすれば上達のスピードも間違いなく上がりますよ。
ここまでフラッグのエントリー方法や勝率を上げるための注意点について紹介してきました。
フラッグをトレードに取り入れる場合は、チャート上にチャネルラインなどの線を引く機会が増えます。
そのため、チャート描画が優れたFX会社がオススメです。
なかでもイチオシなのが、GMOクリック証券。
理由としては、次の2つからです。
【GMOクリック証券がイチオシな理由】
・分析ツールが見やすく、フラッグが見つけやすい
・スマホでもラインが引きやすい
GMOクリック証券は、国内でも1~2位を争う人気のFX会社です。
特に分析ツール『プラチナチャート』は、チャートが見やすく描写機能が優秀。
チャート上にフラッグを見つけたり、チャネルラインを描いたりするのに大変便利です。
また、アプリでも『マグネット機能』で高値・安値をバッチリつかまえることができます。
ご覧のとおり描写機能が優れていますから、チャートを活用しながらトレードするにはオススメのFX会社です。
本日のまとめです。
フラッグは、多くのトレーダーが注目するチャートパターンです。
それゆえにダマシも多く、注意が必要です。
今回ご紹介した4つの注意点を意識してフラッグを活用すれば、より勝率の高いエントリーになると思います。
ぜひトレードに活用してみてください。
水落 あきみね
1977年兵庫県生まれ。2000年大学卒業後にIT会社に入社。12年間勤めた会社を退職して、自営業を始める傍らFXを始める。相場の世界に入って6年になる兼業トレーダーで、水平線やトレンドラインだけを使ったシンプルなトレードを得意としている。信条は「最もうまく負けることができる人が勝つ」