「ヘッドアンドショルダーは、トレードでどう使うの?」
「ヘッドアンドショルダーでエントリーしてもなかなか勝てない!」
そんな悩みをあなたもお持ちではないでしょうか。
ヘッドアンドショルダーは、数あるチャートパターンの中でも、最も力強い形と言われています。
したがって、ヘッドアンドショルダーを見つけることができれば、最大のチャンスといえます。
しかし、注目されるチャートパターンだけに、ダマシが多いことで有名です。
その結果、思っていた以上に勝てない方もいらっしゃるのではないでしょうか?
実はこのダマシ、5つの注意点を知っておくことで、かなり回避できます。
私自身、初心者の頃からヘッドアンドショルダーをトレードで活用していました。
チャート上に見つけやすく、トレードルールもシンプルでしたが、ダマシにもよくあっていました。
けれど、この5つの注意点を意識するようになって、トレード歴8年目の今では勝率の高いエントリー方法のひとつとなっています。
この記事では、ヘッドアンドショルダーのダマシを回避する方法を、実際のチャートも交えながら解説しています。
すぐにトレードに使える内容ばかりですので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
ヘッドアンドショルダーは、トレンドが終わるときに形成されるチャートパターンです。
多くのチャートパターンの中でも、特に信頼できるサインとして、トレーダーから注目されています。
そのためチャート上にヘッドアンドショルダーが現れた時は、とても有効なシグナルとなります。
ヘッドアンドショルダー(トップ)とは、上昇トレンドが終了するときによく見られるチャートパターンのことです。
チャートの形状が、人の頭(ヘッド)と肩(ショルダー)に見えることから、そう呼ばれています。
別名、三尊天井(さんぞんてんじょう)としても有名。
図のように、3つの山と2つの谷で構成されています。
大きな特徴は、1つ目の山と3つ目の山の高さが、同じ価格水準になることです。
2つの谷はネックラインと呼ばれ、価格がこのラインを下回ることで、ヘッドアンドショルダーは初めて完成します。
天井圏でこのヘッドアンドショルダーが完成したら、相場が反転する合図です。
チャートに現れたら、最高のトレードチャンスといえるでしょう。
また実際のチャートでは、ネックラインは必ず水平になるとは限りません。
下の図をご覧ください。
このように、ナナメのネックラインも有効なチャートパターンです。
見落としやすいので注意しましょう。
ヘッドアンドショルダーが重要なのは、トレンドが終了し、相場が反転する可能性が高いからです。
それまでのトレンドが終了し、新たなトレンドが発生すると判断したトレーダーたちの新規売りポジションが入ってくる形なのです。
ですから、このチャートパターンに気づけば、いち早くポジションを立てる準備ができるようになります。
一言でいえば、素早い判断ができるということですね。
以上のことから、ヘッドアンドショルダーをチャート上に見つけることは大切といえるのです。
ヘッドアンドショルダー(トップ)は、上昇トレンド終了時に見られるチャートパターンでした。
逆に、下降トレンド終了時に見られるチャートパターンが、ヘッドアンドショルダー(ボトム)です。
別名、逆三尊(ぎゃくさんぞん)。
ヘッドアンドショルダー(トップ)と同様に、3つの谷と2つの山で構成されています。
特徴も同じです。
1つ目の谷と3つ目の谷の高さが同じ価格水準になる傾向があります。
2つの山はネックラインと呼ばれ、価格がこのラインを上回ることで、ヘッドアンドショルダー(ボトム)が完成します。
やはり、ネックラインは水平になるとは限りません。
むしろ、上図のように少し傾きがある場合のほうが多いです。
どちらも大切なので、ヘッドアンドショルダーのトップとボトムはワンセットで覚えておきましょう。
ヘッドアンドショルダーと似たようなチャートパターンに、トリプルトップがあります。
トリプルトップは、3つの高値が同じ価格水準で並んでいるチャートパターンです。
こちらも上昇トレンドが終了するときに見られます。
その違いは、出現回数。
トリプルトップの方が、ヘッドアンドショルダーより珍しいといえます。
実際の相場では「これはヘッドアンドショルダー?それともトリプルトップ?」と悩んだりする場面がでてきますが、実はあまり意味がありません。
なぜなら、トリプルトップはヘッドアンドショルダーの一種だからです。
どちらにしても、両者の性質は同じ。
それゆえに、違いを気にしすぎて、チャンスを逃すことがないようにしましょう。
なお、トリプルボトムも考え方は一緒ですから、ここでは割愛させていただきます。
続いて、ヘッドアンドショルダーを使ったエントリー方法について紹介します。
チャート上にヘッドアンドショルダーを見つけたときに、初心者でも取り入れやすいエントリー方法として次の2つのパターンがあります。
1. ブレイクを狙ったエントリー
2. ブレイク後の押し目・戻り目を狙ったエントリー
ちなみにヘッドアンドショルダー(ボトム)でも考え方は変わりません。
では、早速みていきましょう。
1番シンプルなのが、ネックラインのブレイクを狙ったエントリー方法です。
エントリーポイントは、3つの高値を作るときにできたネックライン(サポートライン)をローソク足が実体で抜けた次の足。
ネックラインを下に抜けることで、ヘッドアンドショルダーが完成したところを狙います。
分かりやすいヘッドアンドショルダーほど、ブレイクすれば大きな値動きとなります。
積極的に狙っていきたいですね。
もうひとつ紹介したいのは、ブレイクした後の押しや戻りを待ってからエントリーする方法です。
ヘッドアンドショルダーは、多くのトレーダーが意識しているパターンです。
だからこそ、動きが早く、ダマシも多いという特徴があります。
乗り遅れてエントリーしてしまったり、ダマシにあったりするポイントだともいえるでしょう。
そこでよりリスクを下げるために、ネックラインをブレイクした後の押しや戻りを確かめてからエントリーします。
ブレイクしてから押しや戻りを待ってエントリーする方法は、より安全にトレードしたい方にピッタリといえます。
というのは、ネックラインで反発したことを確認してからのエントリーなので、ダマシの可能性が低くなっているからです。
また、損切りも近くに設定できるのでリスクも少ないといえるでしょう。
ブレイクにうまく乗れなかったとしても、エントリーできるポイントはありますから、あせらないことが大切ですね。
ヘッドアンドショルダーを活用したエントリーは、シンプルで利益にもつながりやすいといえます。
一方で、100%勝てるというものではありません。
特に『ダマシ』には注意が必要です。
このようなダマシは、相場では日常的に起こります。
ヘッドアンドショルダーだけを根拠にエントリーしても、ダマシにあう可能性があるのです。
そこでダマシを避ける5つの注意点を紹介します。
オシレーターをチェックする
トレンド相場で活用する
上位足の方向を確認する
押し目・戻り目を待つ
上位足のレジスタンス(サポート)ラインをトレードに活用する
ヘッドアンドショルダーがチャート上に見られた場合、この5つの注意点を意識してみましょう。
きっと勝率の高いトレードにつながると思います。
ダマシを避けるために、まずはオシレーターをチェックしましょう。
なぜなら、オシレーターは『買われすぎ・売られすぎ』を示す指標だからです。
下のチャートをご覧ください。
ヘッドアンドショルダーが確認でき、RSIでも買われすぎと判断されています。
さらには、ダイバージェンス(注)も確認できます。
結論としては、これ以上は上がりにくいということですね。
逆にヘッドアンドショルダーになっても、オシレーターが買われすぎを示していなければ、まだ買い意欲があると判断できます。
このとおり、チャートとオシレーター両方をチェックすることで、ダマシにあう確率を下げることができるでしょう。
注:ダイバージェンスとは
オシレーターの数値は下がっているのに、実際の価格は上昇している状態。
トレンドの弱まりを知らせてくれるサインとして使われる。
【オシレーターについて】
オシレーター系のインジケーターの代表には、『ストキャスティクス』『RSI』『DMI』などがあります。
よくブログなどで「このオシレーターがいい!この数値を使え!」みたいなのを見かけますが、どれか1つ標準のものを使えば問題はありません。
ざっくり「買われすぎなのか、売られすぎなのか」が分かればいいのですから。
ヘッドアンドショルダーは、トレンドが終わるときに形成されるチャートパターンです。
別の言い方をすれば、トレンドがでていない相場でのヘッドアンドショルダーは有効ではありません。
チャートを見ていると、どうしても自分に都合のいいように見てしまいます。
例えばレンジ相場なのに、無理にヘッドアンドショルダーのパターンを探したり、当てはめたりしてしまうのです。
このような失敗を防ぐためにも、はっきりとしたトレンド相場で使うことを心がけましょう。
エントリーする前は、上位足を忘れずにチェックしましょう。
というのも、ダマシにあう確率がグッと下がるからです。
例えば、下の図をご覧ください。
黄色の線が上位足の波だとしましょう。
下位足では①と②ポイントで、ヘッドアンドショルダーが確認できました。
では①と②、どちらのポイントが勝率・値幅とともに高いでしょうか?
言うまでもなく、①のポイントですね。
理由は、上位足も下降トレンドだからです。
上位足が下降トレンドにおいて、下位足でヘッドアンドショルダーを確認できれば、下がる確率も高く、ダマシにあう可能性も低いといえるのではないでしょうか。
一方、②はどうでしょう。
この時点だと、上位足は上昇トレンドを形成する可能性が高い場面です。
つまり、上にいく確率が高いといえます。
たとえ、下位足でヘッドアンドショルダーが成立したとしても、下げ幅は小さく、すぐに反発する可能性があります。
このようにダマシを回避して優位性の高いトレードを心がけるために、上位足の方向をしっかりと意識しましょう。
先ほどエントリーポイントの解説をしましたが、しっかりと押し目・戻り目を待ってエントリーすることもダマシを避けるために大切です。
やはり、ダマシにあう可能性が高い人ほど早く仕掛ける傾向にあるからです。
もちろん、早くエントリーを心がけることで初動の瞬間を逃さずにすみます。
しかしながら、ダマシにあって負けるリスクも高いといえるのです。
相場では一方通行の動きにはなりません。
押し目・戻り目を作るのを待って、流れを確かめてからエントリーした方がリスクも少ないといえるでしょう。
ヘッドアンドショルダー(トップ)がチャート上にできるのは、その価格帯に強い抵抗(レジスタンスライン)があるからです。
そこに上位足のレジスタンスラインを加えることで、勝率も格段にアップします。
図で説明します。
上図のように、上位足のレジスタンスラインのポイントで、下位足がヘッドアンドショルダーになった時にエントリーすれば、ダマシも少ないといえます。
その理由は、【上位足のレジスタンス+下位足ヘッドアンドショルダー(トップ)】という強いポイントだからです。
これに先ほど触れた、上位足の方向があっていれば、またとないチャンスといえます。
上の図で説明すれば、ダブルトップになってネックラインを下に抜けてからの動きの部分ですね。
では、実際のチャートで見てみましょう。
まずは上位足(日足チャート)から。
日足では、黒矢印の動きでサポートライン(赤線)を割って、相場が転換しています。
これまでのサポートラインが、レジスタンスラインとして機能する可能性があります。
また、下降トレンドラインとも重なるポイントです。
そのときの黒枠の動きを下位足で見てみましょう。
黒枠の部分を4時間足で見てみました。
日足のレジスタンスライン(赤線)付近で、ヘッドアンドショルダーを作っているのが分かると思います。
ヘッドアンドショルダーだけでも力強いチャートパターンといえますが、上位足の環境があると、さらにダマシにあいにくくなります。
というのは、相場は大きな時間軸に影響を受けやすいからです。
ご覧のように上位足のチェックは、ダマシを避けるために欠かせません。
確かに上位足を見ることで、エントリーチャンスは減るでしょう。
しかし、勝率・値幅はぜんぜん違いますから、粘り強くタイミングを待つことが大切です。
FXで利益を残していくためには『損小利大』の考えが大切だといわれています。
そこでここでは、ヘッドアンドショルダー(トップ)の損切りの目安と利益目標について紹介いたします。
なお、ヘッドアンドショルダー(ボトム)も考え方は一緒です。
損切りは、直近の高値を目安にする
利益目標については、パターンの高さをブレイクポイントに当てはめる
損切りラインの目安は、直前の高値のすぐ上にいれるのがセオリーといえます。
そこを抜かれるとエントリーした根拠がなくなるからです。
ネックラインのブレイクでエントリーする場合、損切りラインはシンプル。
右肩部分の高値の少し上、多くのトレーダーが損切りラインに設定するポイントです。
戻り目を待ってエントリーする場合の損切りラインは、直前の高値がベター。
ブレイク時と同じ損切りラインでは、遠すぎる可能性があるからです。
上の画像では一度負けていますが、2回目のエントリーで成功しています。
相場に100%はないのですから、損切り設定は必ずしましょう。
利確はトレードで最も難しい技術といわれています。
利益はできる限り伸ばすのが理想的ですが、欲張りすぎて戻してしまっては元も子もありません。
そこでヘッドアンドショルダーでエントリーした場合の、シンプルな目標値の算出方法をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
一般的な利益目標の算出は、パターンの高さ(AB)を測り、ブレイクポイント(C)に当てはめる方法です。
つまり、AB=CDということですね。
これはヘッドアンドショルダー(ボトム)の場合も同じです。
ヘッドのポイントAからBを測定し、ブレイクCに当てはめるだけです。
これはあくまでも目安ですが、利確のルールとしてはシンプルでオススメです。
もちろん、目標値に届かなったり、さらに伸びたりすることもあるでしょう。
その場合でも、同じルールで繰り返しトレードを続けることが重要です。
ヘッドアンドショルダーに代表されるチャートパターンは、多くのトレーダーたちが注目しています。
それだけトレードで勝ちやすい・利益を残しやすいからだともいえるでしょう。
しかしながら、初心者の方がいきなりチャートにパターンを当てはめて勝ち続けるほど、FXはカンタンではありません。
やみくもにヘッドアンドショルダーでエントリーしているだけでは、なかなか上達のスピードも速くならないと思います。
そこで私がオススメするのは、次の4つのステップを実践することです。
1. トレード記録を取り続ける
2. 根拠あるエントリーを心がける
3. トレードを振り返り、次に活かす
4. 損小利大のトレードを意識する
『1.記録を取り続ける』ことは最も重要です。
トレード記録を残していなければ2~4のステップを実践はできませんから。
「自分がどういったトレードをしているか」記録を残すからこそ、反省も改善もできるのです。
チャートパターンを取り入れつつ、上の4つのステップを意識してください。
そうすれば上達のスピードも間違いなく上がりますよ。
ここまでヘッドアンドショルダーのエントリー方法やダマシを避ける方法について紹介してきました。
ヘッドアンドショルダーをトレードに取り入れる場合は、チャート上に水平線などのラインを引く機会が増えます。
そのため、チャート描画が優れたFX会社がオススメです。
なかでもイチオシなのが、GMOクリック証券。
理由としては、次の2つからです。
【GMOクリック証券がイチオシな2つの理由】
・分析ツールが見やすく、ヘッドアンドショルダーが見つけやすい
・スマホでもラインが引きやすい
GMOクリック証券は、国内でも1~2位を争う人気のFX会社です。
特に分析ツール『プラチナチャート』は、チャートが見やすく描写機能が優秀。
チャート上にヘッドアンドショルダーを見つけたり、ラインを描いたりするのに大変便利です。
また、アプリでも『マグネット機能』で高値・安値をバッチリつかまえることができます。
ご覧のとおり描写機能が優れていますから、チャートを活用しながらトレードするにはオススメのFX会社です。
本日のまとめです。
ヘッドアンドショルダーは、多くのトレーダーが注目するチャートパターンです。
それゆえにダマシも多く、注意が必要です。
今回ご紹介した5つ注意点を意識してヘッドアンドショルダーを活用すれば、より自信をもってエントリーできるでしょう。
ぜひトレードに活用してみてください。
水落 あきみね
1977年兵庫県生まれ。2000年大学卒業後にIT会社に入社。12年間勤めた会社を退職して、自営業を始める傍らFXを始める。相場の世界に入って6年になる兼業トレーダーで、水平線やトレンドラインだけを使ったシンプルなトレードを得意としている。信条は「最もうまく負けることができる人が勝つ」