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2021.10.19 2021.04.09

FX初心者はどの通貨を選ぶべき?未経験者がやりやすい通貨ペアは米ドル一択!【FXの基礎知識④】

この記事で学べること

  • 未経験者はどの通貨ペアから選べば良いのか?答えが『米ドル/円』である根拠。
  • 初心者が必ず覚えるべき『ストレート通貨』と『クロス通貨』の違い。
  • 3つに大別される『主要国通貨』『資源国通貨』『新興国通貨』各通貨ペアの特徴。
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この記事のライター 山口 遼平

プロトレーダーに師事を仰ぐ兼業トレーダー。当サイトでは、プロの成功体験から得たノウハウを『FXで勝つための心得』として発信している。

分析手法・トレードスタイル(FXの基本③)の次は、通貨ペアの基礎知識です。

通貨ペアに関しては、「初心者・未経験者が理解しておくべき知識だけ教えて」、「初心者にとってどの通貨ペアがやりやすいの?」というのが元初心者だった筆者の心の声です。

通貨ペアの基本で理解すべき要素は、「ストレート通貨とクロス通貨の概念」と「3種類ある通貨ペアの特徴」です。

FXは2カ国間で通貨の売買を行う投資であるため、通貨ペアの知識は必須です。
特に初心者が最初に選ぶ通貨ペアを間違えてしまうと、アクションゲームでいうハードモードからはじめることになってしまいます。

最初に結論を言ってしまうと、初心者にとってやりやすい通貨ペアは『米ドル/円』一択です。

本記事では、通貨ペアの最低限必要な基本から、未経験者が選ぶべき通貨ペアが『米ドル/円』一択である根拠をわかりやすく解説しております。
身構えずに気楽に読んでいただければ幸いです。

1. 通貨ペアの基本をわかりやすく解説

FXの基本④-1

冒頭にも書きましたが、FXは2カ国間の通貨をやり取りする投資です。まずは、その概念を理解しましょう。

特にストレート通貨とクロス通貨は、トレードの難易度に直結する要素なのでしっかり理解しておきましょう。(それぞれの意味は後ほど解説します)

1.1. 通貨ペアとは?二カ国の通貨をペアにしたもの

通貨ペアとは、取引で使用する2カ国の通貨の組み合わせのことです。FXは2カ国間で通貨の売買を行うため、「ペア(対)」という表現をしています。

日本円で米ドルを買う場合は『米ドル/円』という通貨ペアとなり、通貨名を『/』で区切って表現します。

アルファベット表記では『USD/JPY』となり、この表記は金融機関でよく使うので主要な通貨は覚えておきましょう。(主要な通貨ペアは、”1.3.”の通貨ペア表を参照ください)

通貨の並び順にも意味があり「左側の通貨を基準に取引し、右側の通貨で決済する。」と理解しましょう。

例えば、通貨ペア米ドル/円で「買い」というと、米ドルを円で買う取引。米ドル/円で「売り」というと、米ドルを円で売る取引。
このように、左側の通貨を軸に考えます。対して、右側の通貨は決済する時の通貨となります。

また、通貨ペアの表示順は、外国為替市場の慣習で下の絵の様に決まっています。

絵の左にある国の通貨が通貨ペア表記では左側になる。これはこういう決まりだと割り切って覚えてください。

日本円が一番後ろなのは意外ですが、全ての通貨に対して円で決済できるので実はラッキーです。
仮に日本円/米ドルという表記だと、1円 = 0.01米ドルという考え方になりわかりにくくなります。

通貨ペアの表記順がトレードに影響することはありませんが、豆知識として覚えておきましょう。

1.2. 初心者は必ず覚えよう!ストレート通貨とクロス通貨

通貨ペアには以下の2種類が存在します。

・ストレート通貨
・クロス通貨

FXの勉強をしていて、ドルストレートやクロス円などの用語を見たことはないでしょうか。

簡単に、米ドルが絡む通貨ペアが「ストレート」、米ドルが絡まない通貨ペアが「クロス」と覚えてしまいましょう。

米ドルは世界一の基軸通貨です。(基軸通貨とは世界で権威のある通貨のこと)

そのためFXの世界では、米ドルが絡む通貨ペアは全てドルストレートと慣習で呼んでいます。略して『ストレート』とだけで表現されることもあります。

逆に米ドルが絡まない通貨ペア、例えばユーロ/ポンドやポンド/豪ドルなども、ユーロストレートやポンドストレートと呼びたくなりますが、全てクロス通貨に分類されます。また、円が絡むクロス通貨は全てクロス円と言います。

これには理由があるのです。なぜこのような仕組みかというと、その理由は売買時のレート算出方法にあります。

例えばユーロ/円で取引する場合、ユーロと円が直接やり取りしてると思う方が多いかもしれません。
しかし、実は円とユーロで直接やり取りはしておらず、第3の通貨米ドルが絡んでいるのです。

例えば、ユーロ/円で買いの場合、

円で米ドルを買う ⇨ 米ドルでユーロを買う

このように、一旦米ドルにしてユーロを買っています。つまり、円でユーロを買うときは米ドル/円とユーロ/米ドルの二つの通貨ペアの計算が必要となります。

例として1ドル = 120円、1ユーロ = 1.2ドルの時にユーロ/円を買ってみましょう。その時の計算式は以下となります。

計算式

120(円) ✖️ 1.2(ユーロ) = 144(円)

つまり、1ユーロ取引するには144円必要となります。

もっとイメージしやすいように絵でも理解しましょう。ドルストレートとクロス円それぞれの取引イメージです。

なぜこのような周りくどいことをしているかと言うと、一般的に世界の貿易取引には世界No.1基軸通貨である米ドルが使われています。
事実、世界の貿易取引に使われる通貨の約8割は米ドルで、それほど米ドルは価値・信頼性が高い通貨です。

そのためFXの世界でも、その慣習に習いクロス通貨取引の際は、一度米ドルに変換してから取引先国の通貨に変換します。

これはつまり、クロス通貨を取引する際は二つの通貨ペア(例:米ドル/円とユーロ/米ドル)を分析する必要があります。

いかがでしょうか、FXはシンプルに2国間で通貨のやりとりをしていると思いきや、米ドルが絡まないだけで裏ではこのような複雑な計算をしていたのです。

クロス通貨は仕組み上、二つの通貨ペアの値動きを予測しなければならず、初心者にはとっつきにくい通貨ペアです。
そのため、初心者はストレート通貨からはじめることを強く推奨します。

1.3. FXで取り扱っている主な通貨一覧!英語表付き

ここまで通貨ペアの必要な知識を学びました。

次に日本円を軸とした通貨ペアを英語表記を含めてご紹介します。ここでは「こんな通貨ペアがあるんだ」程度の理解で問題ありません。

通貨ペア英表記
ユーロ/米ドル EUR/USD
米ドル/円 USD/JPY
英ポンド/日本円GBP/JPY
豪ドル/日本円AUD/JPY
NZドル/日本円NZD/JPY
カナダドル/日本円CAD/JPY
南アランド/日本円ZAR/JPY
メキシコペソ/日本円MXN/JPY
トルコリラ/日本円TRY/JPY

これら各通貨は大まかに三つのグループにカテゴライズされています。

次の章で、各グループの特徴を解説していきます。

通貨ペアの基本まとめ

・米ドル絡みの通貨ペアは全てストレート通貨、それ以外は全てクロス通貨

・クロス通貨は事実上、二つの通貨ペアの値動きを予測するため難しい、初心者はドルすトレートからはじめましょう。

2. 3つに分類される通貨ペアそれぞれの特徴

FXの基本④-2

通貨ペアには主要国通貨、資源国通貨、新興国通貨と大きく3つの通貨グループに大別されます。それぞれ為替の傾向が違うため、各グループの特徴は必ず理解しましょう。

それでは3つのグループの特徴を解説していきます。

2.1. 主要国通貨【特徴:取引量が多い】

世界の取引量の70%以上を占めるのが主要国通貨です。グループの特徴として、取引量が多く為替レートの動きが穏やか、通貨の価値も高いため有事の際の安全資産としても使われます。

中でも米ドルの影響力は絶大で、クロス通貨で解説した通り米ドルの動きは全ての通貨に影響を及ぼすと言って良いでしょう。

【主要国通貨に該当する通貨例】
・米ドル(USD)、ユーロ(EUR)、円(JPY)、ポンド(GBP)、スイスフラン(CHF)

グループの特徴
・取引量が多く為替の動きが比較的緩やか
・情報量が多くファンダメンタルズ分析がしやすい
・有事の際の安全資産とされる信用されている通貨

2.2. 資源国通貨【特徴:資源価格に注意】

その名の通り、石炭、鉄鉱石、金、石油などの資源が豊富な国の通貨グループ。
その国の経済や政治情勢の他、これら資源の価格が為替レートに大きく影響するのが大きな特徴です。また、資源の輸出先の景気動向にも大きく影響します

【資源国通貨に該当する通貨例】
・豪ドル(AUD)、NZドル(NZD)、カナダドル(CAD)

グループの特徴
・取引量は少ないため為替の動きが大きい
・ファンダメンタルズの情報が入手手段が主要国通貨に比べて少ない
・金利が主要国通貨に比べ高い
・その国の資源価格に連動する

2.3. 新興国通貨【特徴:金利が魅力】

経済発展途上国のグループ。大きな特徴はその政策金利(スワップポイント)の高さです。

政策金利(スワップポイント)とは
その通貨を保有しているだけで得られる金利のこと。新興国の場合は、政府が通貨の価値を維持 or 高めるために執ることが多い。

通貨を保有しているだけで毎日高い金利を得られるのは他の通貨にはない魅力です。そのため、一般的な為替差益を狙う投資ではなく、金利を狙うことが多い通貨となります。

しかし、高金利であることは、経済が不安定であることの裏返しで、通貨の価値が急激に下がる可能性も高く初心者には危険な投資になります。

また、全ての新興国通貨は取引量が非常に少ないため価格の浮き沈みが激しいのが特徴です。

【資源国通貨に該当する通貨例】
・南アランド(ZAR)、メキシコペソ(MXN)、トルコリラ(TRY)

グループの特徴
・取引量がとても少ないため為替の動きが激しい
・ファンダメンタルズ情報の入手手段が資源国通貨に比べて少ない
・金利がとても高い
・為替レートの浮き沈みが激しい

FXの通貨まとめ

・主要国通貨:取引量やファンダメンタルズ情報が多い、通貨の価値・信頼性・安定性が高く初心者向き。

・資源国通貨:資源の価格とその国の情勢だけでなく、資源輸出先の情勢も大きく影響する。

・新興国通貨:政策金利が高く、金利を狙う投資が特徴。高金利の反面、経済状況が不安定で通貨の価値が暴落するリスクがある。

3. どの通貨ペアを選ぶべき?初心者がやりやすい通貨『米ドル/円』一択!

FXの基本④-3

ここまで通貨ペアの基本と各通貨ペアの特徴を学びました。いよいよ最後のステップ、初心者がどの通貨ペアを選ぶべきかに迫ります。

通貨選びのポイントは、ズバリ!分析しやすい通貨ペアです!分析しやすい通貨ペアの特徴は以下の通りです。

・一つの通貨ペアの分析だけで良いドルストレート通貨
・取引量(市場参戦者)が多く、投資家の集団心理が読みやすい通貨ペア

上記に当てはまる通貨ペアを絞っていくと『米ドル/円』になります。それぞれみていきましょう。

3.1. シンプルでやりやすい『ドルストレート』を選ぶ

ストレート通貨とクロス通貨でも解説しましたが、クロス通貨は二つの通貨ペアを読み取る必要があり初心者にはおすすめしません。

まずは、一つの為替の動きを読み取るだけで良いドルストレート通貨を選びましょう。

くれぐれも馴染みのある円があるからという安易な理由でポンド/円、ユーロ/円などに手を出さないようにしましょう。

3.2. 取引量の多い『主要国通貨』を選ぶ

まず取引量(市場参入者)の多いことのメリットは、為替レートが適正価格に落ち着きやすいこと。つまり、為替の動きが緩やかで安定しやすいことです。

逆に取引量が少ないと、一部勢力の急激な売買で為替が大きく変動することもあります。その点取引量が多ければ、一部勢力の動きでは大きな価格変動は起きないためリスクは抑えられます。

また、この安定した為替の動きがテクニカル分析をする上でとても重要です。取引量が少ない不安定な為替の動きだとテクニカル分析の力を発揮できません。

ここで、前の記事で学んだことを軽くおさらいしましょう。

グループの特徴
・為替の動きは世界の投資家の集団心理を具現化したもの。
・FXで利益をあげるためには、未来の為替の動きを読み取ること、つまり分析が大事。

FXで利益をあげるためには分析は不可欠であるため、分析の力を発揮しやすい取引量の多い通貨ペアを選ぶましょう。

また、取引量が多いと1取引にかかる手数料が安くなることも大きなメリットです。特にスキャルピングやデイトレードなどの短期トレードを考えている人には重要なポイントです。

取引量が多いメリットを理解していただけたなら、必然的に取引量上位の通貨ペアから選ぶことになるでしょう。

世界で取引量が多い通貨は下記の表をご覧ください。

ランキング通貨ペアシェア
1ユーロ/米ドル23.1%
2米ドル/円17.8%
3ポンド/米ドル9.3%
4豪ドル/米ドル5.2%
5米ドル/カナダドル4.3%
6米ドル/人民元3.8%
7米ドル/スイスフラン3.6%
8ユーロ/ポンド2.0%
9米ドル/メキシコペソ1.8%
10ユーロ/円1.6%

3.3. 『ファンダメンタルズ情報が豊富な通貨ペア』を選ぶ

テクニカル分析と同様に重要なのがファンダメンズ分析で、その分析に必要なものは情報です。

米雇用統計などの定期的な情報は狙って入手できますが、突発的なイベントは常にアンテナを張っていないと入手できません。

日本人であれば日本の情報は簡単に入手できますし、日本と近い関係であるアメリカなども日本のニュースを見ていれば比較的簡単に入手できます。

EU、豪州、英国、カナダも大きなイベントであれば入手できますが、どうしても日本とアメリカに比べると難易度が高いです。特にEUは複数国の集合体であるため多くのアンテナが必要となります。

そうなると情報が多い日本とアメリカの通貨ペア、米ドル/円が消去法で選ばれるはずです。

3.4. 馴染みのある『日本円』を選ぶ

最後にもう一つ、分析や情報には関係ないポイントですが、普段から馴染みのある通貨を選ぶことです。

「1ドル = 100円」 と 「1ユーロ = 1.2ドル」

パッと見どちらがスッと頭に入りますか?日本人だったらほぼ100%前者だと思います。

FXはお金のやりとりをする投資であるため、日頃から馴染みのある通貨で取引できることは大きなメリットだと考えてください。

3.5. 結局どの通貨ペア? ⇨ おすすめは『米ドル/円』一択

さて、初心者におすすめの通貨ペア。ここまで読んでいただけたなら言われなくてもわかっているかと思いますが、

初心者は圧倒的に米ドル/円を選びましょう!

それでは最後に改めて、初心者に米ドル/円がおすすめな理由を振り返りましょう。

米ドル/円をおすすめする理由

・為替レート計算のシンプルなドルストレート一択。

・取引量(市場参加者)が多いため、為替レートの変動が小さくリスクが低く、取引手数料も安い。

・日本はもちろん、アメリカ関連のニュースが多く、ファンダメンタルズ分析に必要な情報が入手しやすい。

・円で計算しやすく日本人にも馴染みやすい。

4. まとめ

FXの基本④-4
  • ストレート通貨 ドルが絡む全ての通貨ペアのことをストレート通貨(ドルストレート)という。ストレート通貨のレート計算は2カ国間だけで行われる。 ストレートの例:米ドル/円、ユーロ/米ドル、豪ドル/米ドルなど
  • クロス通貨 米ドルが絡まない全ての通貨ペアのことをクロス通貨という。更に日本円が含まれる通貨ペアはクロス円という。 クロス通貨のレート計算は、2カ国の間に米ドルを挟む。 例:ユーロ/円、ユーロ/ポンド、NZドル/円など
  • 初心者は米ドル/円からはじめよう 米ドル/円は、取引量が多く為替の動きが緩やか、手数料が安定、クロス通貨のような煩わしい計算不要のストレート通貨、情報が入手しやすい、日本人に馴染みがあり計算しやすい。まさに初心者向きの通貨ペア。この通貨ペアで経験を積んでから別の通貨ペアに挑戦してみよう。

通貨ペアについて理解して頂けたでしょうか。通貨ペアの特徴を理解できたら次は取引時間帯です。
取引時間帯は、通貨ペアとは切っても切れない関係ですので、まとめて覚えてしまいましょう。

FXの基本シリーズは全8記事で構成されています。初めから読みたい方はこちらからご覧ください。

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