選択型自動売買で有名な「セントラルミラートレーダー」ですが、本当に利益がでるのか疑問に思っていませんか。
この記事では、実際に限られた期間でセントラルミラートレーダーは、どれくらい利益が出せるのかデモトレードで検証してみました。
「FXやってみた研究所」でのデモトレードでの成績は以下のようになりました。
検証期間:2週間(6/24~7/18)
損益:-52,138円(1,000,000円→947,862円)
なぜ、マイナスという結果になったか詳しく解説していきます。
また、ストラテジーの選定方法や使い勝手がどうなのかも詳しく説明しています。
最後まで読んでいただければ、「セントラルミラートレーダー」があなたに向いているか理解していただけます。
セントラルミラートレーダーに向いている人
セントラルミラートレーダーに向いていない人
目次
はじめに、セントラルミラートレーダーの特徴をみてみましょう。
FX自動売買サービスであるセントラルミラートレーダーを提供しているのは、セントラル短資FX株式会社です。
会社名 | セントラル短資FX株式会社 |
---|---|
所在地 | 東京都中央区日本橋本石町3-3-14 |
設立時期 | 2002年3月 |
資本金 | 13億1,965万円 |
セントラル短資FX株式会社は、歴史あるセントラル短資グループに所属しており金融取引では豊富なノウハウや実績を持っています。
FXでは、裁量取引の「FXダイレクトプラス」と自動売買である「セントラルミラートレーダー」の2つのサービスを提供しています。
セントラルミラートレーダーは、「セントラル短資FX」がサービスを提供するミラートレーダーサービスの名称です。
ミラートレーダーとは、自動売買の取引ツールです。
つまり、ユーザーは、ミラートレーダーというツールを使い、自動売買ソフトの検索・選別、またその稼働・停止、さらに自分のポートフォリオの損益状況について確認することができます。
セントラルミラートレーダーは、自動売買の中でも「選択型自動売買」に区分されます。
この選択型自動売買は、サービスを提供しているFX会社が用意した自動売買ソフトの中から、自分が好きなものを選択し利用することができるという自動売買の方式です。
すなわち、セントラルミラートレーダーでは特別なソフトをインストールする必要がなく、サービスを提供しているセントラル短資に口座を開くだけで利用できるのです。
したがって、FXの自動売買やパソコンに詳しくない初心者の方に、非常におすすめのやり方といえます。
セントラルミラートレーダーは、デモ口座、リアル口座ともにほとんど同じ仕様になっているようです。
稼働できるストラテジーの種類や数、その他の機能や操作方法、取引ルールなどについて、デモ口座とリアル口座とで違いはないようにみえます。
次に、セントラルミラートレーダーのデモトレードの始め方についてみていきましょう。
セントラル短資FXのホームページから【デモ取引 お申込み】をクリックします。
個人情報の取り扱い、およびデモ口座利用規約に同意します。
「ユーザーネーム」、「パスワード」、「メールアドレス」を入力し、【登録】をクリックします。
登録したメールアドレスあてに、登録完了通知が届きます。
デモ口座が開設されたので、ログイン画面からログインできます。
免責条項等に同意すれば、デモトレードを開始することができます。
次は、自動売買ソフトであるストラテジーの検索と選定を行ってみましょう。
デモ口座の初期設定は、次のように口座資金100万円が付与されています。
以下は、セントラルミラートレーダーのダッシュボード画面です。
ストラテジーの検索方法は、シンプル検索とアドバンス検索があります。
【シンプル検索】
「おすすめ」、「マーケットベース」、「低リスク型」、「バランス型」、「トレンド型」の各条件によりランキング形式で表示する方法です。
【アドバンス検索】
「おすすめ」、「マーケットベース」、「低リスク型」、「バランス型」、「トレンド型」の各条件によりランキング形式で表示する方法です。
ここでは、シンプル検索の「おすすめ」でストラテジー検索を行ってみます。
「おすすめ」は、取引開始以来の成績を重視し、長期に運用して収益を上げる傾向が強いストラテジーの上位をランキングで表示してくれます。
検索すると、おすすめランキングで上位15のストラテジーが表示されました(画面左下が表示ストラテジー数)。
なお、セントラルミラートレーダーでは、合計で700種類を超えるストラテジーが登録されています。
より多くのストラテジーを表示したい場合は、アドバンス検索を使います。
アドバンス検索で画面を下にスクロールし、「さらにロード」ボタンをクリックすれば、表示されるストラテジー数が増えていきます。
【注意】
ここで、注意を要するのは、パソコンの環境によっては、ストラテジーがうまく表示されないことがある点です。
パソコンの表示画面を縮小している場合は、最大に拡大しないと「さらにロード」ボタンが表示されない場合があります。
筆者の場合は、逆にパソコン画面を最大にしていると表示されず、横幅を縮小すると表示されるようになりました。
話を戻しますが、おすすめ検索で表示された15のストラテジーを一つひとつ調べていくのは効率が悪いため、まとめてエクセルに過去データをエクスポートします。
過去データの項目が、通貨ペア・損益・取引回数・Tスコア・フォロワー・最大ドローダウンの6項目となっていますので、この項目内容でストラテジーを選別していきます。
【用語説明】
■Tスコア
各ストラテジーの損益結果を点数化した数値。
点数は10点満点で評価され、点数が10に近いほどそのストラテジーは優秀と判定される。
通常、Tスコアが8以上のストラテジーは良と判定される。
■フォロワー
現時点でストラテジーを利用している(ポートフォリオに追加している)人数(ミラートレーダー提供会社すべての合計数値)。
■最大ドローダウン
累積損益が、ピークから最大に落ち込んだ大きさ(幅)
それでは、データーを順番にふるいをかけてストラテジーを選別していきます。
取引が一定回数以上ないと、過去データに信頼性を置くことができません。
そこで、まず取引回数の多い順にソートします。
取引回数が30回以上のストラテジーを残し、他は削除してしまいます。
次に、損益pipsの多い順にソートします。
損益が1,000pips以上のストラテジーを残し、それ未満のものは削除します。
最大ドローダウンがあまり大きいと、稼働しても成績が安定しない危険があります。
そこで、次に最大ドローダウンの小さい順に並べます。
最大ドローダウンが1,000pips以上のものは削除します。
こうして各項目でふるいにかけて最終的に残ったのは、以下の4本のストラテジーです。
選別に使う過去データの項目数があまり多くありませんが、デモトレードであるため、この4本で一応試してみます。
以下は、1本目のストラテジーの概要と過去の損益曲線です。
【2本目】
【3本目】
【4本目】
次に、これらのストラテジーを自分のポートフォリオに組み込み(追加)します。
各ストラテジーともに、トレード1回の建玉数量は1万通貨です。
最大損失許容額や逆指値の設定ができますが、デモトレードのため空欄(入力なし)のままとし、すべての判断はストラテジーのロジックに任せてみることにします。
4本のストラテジーがポートフォリオに追加され、稼働を開始しました。
後は、トレードの経過を見守るだけです。
いよいよデモトレードが始まりました。これからは、1週間ごとの経過について観察していきます。
稼働開始1週間後のポートフォリオの状況をみてみましょう。
4本のストラテジー中、3本に実現損益が計上され、残り1本はエントリーがなかったようです。
【実現損益】
実現損益とは、トレードの決済が終了して損益が確定したものをいいます。
まだトレード中で含み損益の段階のものは入っていません。
実現損益は、合計でマイナス14,102円となっています。
以下は、実現損益をエクセルにエクスポートした表です。
次に、建玉照会を行ったところ、3本のストラテジーがポジションを保有していることがわかりました。
その含み損益は、合計でマイナス3,340円となっています。
現在の口座残高は、実現損益と評価損益を差し引きして98万2,175円で、スタート時点の100万円からマイナス1万7,825円となっています。
なお、建玉照会の評価損益額と口座状況の評価損益額の数値が異なっていますが、建玉保有中は損益額が刻々と変化するため、画像を記録したタイミングの違いによるものです。
2週間後の状況をみてみましょう。
4本のストラテジー中、3本に実現損益(決済済みの損益)が計上され、残り1本は相変わらずエントリーがなかったようです。
実現損益は、合計でプラス2万2,211円となっています。
建玉照会では、3本のストラテジーがポジションを保有していることがわかりました。
その含み損益は、合計でマイナス7万5,425円となっています。
現在の口座残高は、実現損益と評価損益を差し引きして94万7,862円で、スタート時点の100万円からマイナス5万2,138円となっています。
建玉照会の評価損益額と口座状況の評価損益額の数値が異なっているのは、前と同じく画像を記録したタイミングの違いによるものです。
セントラルミラートレーダーのデモ口座で実際に自動売買を行ってみました。
ここでは、セントラルミラートレーダーは使いやすいか、おすすめのサービスかなどについて評価していきます。
評価項目 | 評価(★5つで満点) | 備考 |
---|---|---|
見やすさ わかりやすさ | ★★ | 操作画面は、あまり見やすくない 全体的な色調が薄く、文字もあまり大きくない ストラテジー検索でスムーズに表示されない場合がある |
操作性 レスポンス | ★★★★ | 他社のミラートレーダーと同程度 |
ストラテジー数 データ項目 | ★★★★ | ストラテジー数は700種類以上と豊富 ストラテジーの過去データの項目数も他社のミラートレーダーより少ない |
トレード成績 | ★★★ | トレードの経過状況によっては、随時ポートフォリオを見直すことが必要 |
コスト | ★★★★ | 裁量トレードに比べてスプレッドは広いが、他社より狭い傾向にある 取引手数料は無料 |
総合評価 | ★★★ | 操作性やレスポンスはよいが、見やすさ・わかりやすさ、ストラテジー検索のスムーズさなどの面で、より充実が求められる |
セントラルミラートレーダーの操作画面は、あまり見やすいとはいえません。
全体的な色調が薄く、文字もあまり大きくないため、パッと見てわかりやすい仕様になっていません。
【注意点】
また、ストラテジー検索では、上で説明したように、「さらにロード」ボタンがスムーズに表示されない場合があります。
セントラルミラートレーダーの操作性やレスポンスは、一般のミラートレーダーとほぼ同じであるため、初心者でも使いやすいといえます。
ストラテジーの総数は、700種類以上と豊富に揃っています。
ただし、ストラテジーの過去データの項目数は、他社のミラートレーダーより少ないといえます
ストラテジーのシンプル検索では、過去データの項目が以下の6項目でした。
【シンプル検索の項目】
①通貨ペア
②損益
③取引回数
④Tスコア
⑤フォロワー
⑥最大ドローダウン
一方、【アドバンス検索】という項目条件を指定して検索するメニューでは、次の10項目についてエクスポートすることができました。
アドバンス検索の項目
①通貨ペア
②損益
③取引回数
④Tスコア
⑤フォロワー
⑥最大ドローダウン
⑦リスクリターン
⑧最大建玉
⑨プロフィットファクター
⑩勝率
しかし、他社のミラートレーダーではエクスポートできる取引開始日・平均利益・平均損失・最大利益・最大損失などの項目はありません。
【用語説明】
■リスクリターン
累積損益÷最大ドローダウン。
リスクリターンの数値が高ければ、ストラテジーが大きなドローダウンなく利益を上げてきたことがわかる。
■最大建玉
建玉は、ストラテジーが保有するポジション(通貨数量)の意味。
最大建玉は、ストラテジーが同時に保有する可能性がある最大のポジション(通貨数量)。
■プロフィットファクター
利益合計÷損失合計。
ストラテジーのプロフィットファクターが、1よりも大きければ勝っている、1イコールで勝ち負けが同じ(プラスマイナス0)、1よりも小さければ負けていることがわかる。
プロフィットファクターの数値が大きいほど優秀なストラテジーと判定される
■平均利益
利益合計÷勝った取引数。
ストラテジーが勝ったトレードでは、1回あたりどの位の利益を上げたか、平均額がわかる。
■平均損失
損失合計÷負けた取引数。
ストラテジーが負けたトレードでは、1回あたりどの位の損失を被ったか、平均額がわかる。
トレードの成績には、その時々の相場状況が大きく影響します。
特に、デモトレードを行っていた期間の後半は、ドル円や日経平均株価などが大きく値を下げた局面でした。
このような相場動向も踏まえ、トレードの経過によっては、随時ポートフォリオを見直すこと(ストラテジーの入れ替えなど)が必要でしょう。
また、ストラテジーによっては、1~2週間などの短期間では損を出しても、数カ月間という長期間で最終的に収益を上げるものがあります。
そのため、この短い期間のデモトレードでの成績でストラテジーの性能を単純に評価することはできないといえます。
セントラルミラートレーダーでは、トレードコストとしてスプレッドがかかります。
取引手数料は無料となっています。
なお、スプレッドは固定ではなく変動しますが、大体の目安は以下のとおりです。
通貨ペア | スプレッド |
---|---|
米ドル/円 | 2.4銭 |
ユーロ/円 | 3.5銭 |
ユーロ/米ドル | 2.3 pips |
ポンド/円 | 5.5銭 |
豪ドル/円 | 4.5銭 |
上表のスプレッドは、2020年2月時点にデモ口座で実際に確認したものです。
セントラルミラートレーダーのスプレッドを紹介している他のサイトも、似たような数値になっています。
ただし、時期により数値が変わるため、参考程度としてください。
ミラートレーダーを使った自動売買のスプレッドは、一般的に裁量トレードのスプレッドより広く、その点は他社も同様です。
セントラルミラートレーダーのスプレッドは、他社のミラートレーダーより狭いとの定評があります。
セントラルミラートレーダーは、一般のミラートレーダーと同様に、操作性やレスポンスはよいといえます。
ただし、見やすさ・わかりやすさ、ストラテジー検索のスムーズさなどからみると、自動売買初心者の方にはあまり使いやすいとはいえません。
セントラルミラートレーダーの評価や人気をより高めるには、見やすさ・わかりやすさに配慮したデザインの工夫、ストラテジー検索機能の向上などが求められるといえるでしょう。
反面、現在ストラテジー選択系のデモトレードを提供しているFX会社が少ない観点からみると、セントラルミラートレーダーには稀少価値があるといえます。
現時点で、リアル口座を開設せずにミラートレーダーを使ったデモトレードを行うことができるFX会社はあまりありません。
よって、ストラテジー選択系のデモトレードを経験したい方には、セントラルミラートレーダーは一度試してみる価値があるかもしれません。
その意味からも、セントラルミラートレーダーには、一層の機能・サービスの充実・拡大を望みたいところです。
「FXやってみた研究所」でのデモトレードでの成績は以下でした。
検証期間:2週間(6/24~7/18)
損益:-52,138円(1,000,000円→947,862円)
今回の短期間での成績は上記のようになりましたが、短期間では損を出しても、数カ月間という長期間で最終的に収益を上げるものもあります。
そのため、この短い期間のデモトレードでの成績でストラテジーの性能を単純に評価することはできません。
セントラルミラートレーダーは相場の状況に応じて、素早い損切りとストラテジーの入れ替えをしっかりと行えば勝てるチャンスががあります。
裁量トレードに限界を感じている人や、初心者の人はセントラルミラートレーダーで自動売買を始めてみましょう。
セントラルミラートレーダーに向いている人
セントラルミラートレーダーに向いていない人
三原怜
私は、以前地方自治体に勤めていましたが、退職してFXトレーダーに転向しました。トレード歴は、通算で約10年間になります。 トレーダーになった動機は、相場が人間心理の凝縮された生き物のように思え、その神秘的なベールを、テクニカル分析などの手法で読み解いていく面白さを知ったからです。 みなさんも自分なりの角度から、ぜひ相場に挑戦してみてください。
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