FXでの借金経験を経て、取り組みを学び直し。FXとバイナリーオプションで堅実な利益をあげるために猛勉強中のライター
トレードの期待値が分かると、今後も同じ手法で取引を続けていいものかという不安から解放されます。
・連続負けになると不安になる
・他のエントリーポイントも試したくなってしまう
・コツコツドカンを何度もしてしまう
という経験は、FXをしていれば誰しもが一度は通る道ですよね。
トレードに対する自信を取り戻すには分析の繰り返し、トレードの見直し・改善を継続していくことが大切でしょう。
期待値はそれを手助けする役割を持っています。
期待値は勝つ見込みを数値化したものであり、改善の指針となるものです。
利益の出るトレード、退場しないトレードを自分で見つけ出すためには期待値を知ることが欠かせません。
今回の記事ではこの期待値について解説をしていきます。
期待値の意味と計算方法をみていきましょう。
期待値とは、1回のトレードで獲得できる金額の平均値のことを指します。
期待値がプラスであれば、一時的な負けを喫したとしてもトレード回数を重ねるほどプラスで終われる可能性が高くなることを示しています。
今のトレードの期待値が5,000円なら、10回取引すればトータルで50,000円の利益を見込めます。
逆に期待値が-5000円なら、取引をするたびにお金が減っていってしまいます。
損失の出る手法で取引を続けてしまうことがないよう、自分のトレードの期待値とその改善方法をみていきましょう。
期待値は以下の方法で計算することができます。
期待値 = 勝率 x 平均獲得額 – 負率 x 平均損失額
勝率・・・勝ち回数÷総取引回数x100
負率・・・負け回数÷総取引回数x100
平均獲得額・・・利益合計÷勝ち回数
平均損失額・・・損失合計÷負け回数
トレード未経験者であれば、以下に例を記載しますので参考にしてみてください。
【例1】
勝率50%で平均利益が5,000円、平均損失が3,000円のトレードをしていたとすると、期待値は1,000円となります。
0.5 x 5,000 – 0.5 x 3,000 = 1,000
上記の損益を固定かつ勝率を維持することができれば、取引をするたびに1,000円が増える計算になります。
もちろん、現実には負けトレードが連続することもあるでしょうが、プラスの期待値が見込めるトレード手法ですので、自信をもって相場に臨めそうですね。
また、FXの取引単位pipsで計算すると、よりイメージしやすくなるかもしれません。
【例2】
勝率70%で平均利益が10pips、平均損失が30pipsとすると、期待値は – 2pipsとなります。
0.7 x 10 – 0.3 x 30 = – 2
勝率が70%と高い数値を出しているにもかかわらず、期待値はマイナスになっているので、取引をするたびに2pipsずつ資金を減らしていくことになります。
連続勝利で自信にはなりそうですが、取引するたびにお金が減っていく取引をしています。
直ちに取引を中止して、トレード手法の改善をする必要があります。
期待値は、取引経験者であればFX会社の取引履歴を参考に計算ができます。
取引未経験の場合は、期待値をプラスにするために下記数値を使い、逆算して取引手法をつくっていきましょう。
・勝率
・平均利益額
・平均損失額
期待値があるのはFXだけではありません。
FXはよくギャンブルだと比喩されがちですが、競馬や宝くじにも期待値がありますので見ていきましょう。
期待値の面から見るとFXとギャンブルは全く違うものだということがわかりますよ。
競馬・競艇の還元率は65%、パチンコ・パチスロの還元率は80%です。
10,000円を投じた際の期待値は、競馬・競艇であれば-3,500円、パチンコ・パチスロは-2,000円になり、いずれも期待値はマイナスになっています。
宝くじ・ロト6の還元率は45%です。
こちらも期待値はマイナスでした。
買うたびに、投じた資金が半分になって返ってきます。
FXトレードでしたら、即時中断するべきですね。
FXの還元率は98-99%です。
取引手数料(スプレッド)分があるため100%にはなりませんが、還元率は他ギャンブルとは比べるまでもありません。
では、FXの還元率は100%近いのに、なぜ極端に損する人と得する人がいるのでしょうか。
それは、FXでは期待値を自身でコントロールできるからです。
コントロールの仕方によって、プラスにもマイナスにもできるのがFXのデメリットでもあり、最大のメリットでもあります。
プラスの期待値がある手法で継続的にトレードに臨むことができれば、将来の利益をもたらしてくれるのがFXです。
投資としてFXをするために、期待値の計算は欠かせないものになります。
期待値の具体的な使い方を見ていきます。
目標利益額・期間・資金を決めて、逆算して何をすべきか計画を立てます。
「100万円の資金で1ヶ月に5万円を稼ぐ」など。
具体的な数値を出すことが重要です。
この目標数値を元にして、実現できるトレード手法を作成していきます。
自分のトレードの期待値を計算します。
トレード経験者で、口座を分けたり複数の通貨ペアを取引している場合は個別に計算をしましょう。
どの通貨が得意なのか、どのトレードスタイルが得意なのかが一目瞭然になりますよ。
トレード未経験であれば期待値の計算式に数字を当てはめて、期待値をプラスにする手法を数字でイメージできるようになりましょう。
【例】
勝率60%、勝ち平均10pips、負け平均10pipsなら、期待値はプラス2pips
0.6 x 10 – 0.4 x 10 = 2
取引毎に2pipsのプラスになるので有効な手法といえそうですね。
FX取引には勝ちpipsと負けpipsをあらかじめ設定することができるので、「勝率60%以上になるポイント」のみをひたすらチャート上で探していくことで、勝ちにつなげることが出来ます。
期待値から逆算して、必要資金量・損失幅・利益幅・目指す勝率を明確化します。
あとは自分のトレード履歴を参考に、計算した数値に近づけていくよう改善作業をしていきます。
月に20日間取引できるので、1日1回の取引で2,500円を稼げれば、月に50,000円を稼ぐことができます。
勝率60%、平均利益6,500円、負率40%、平均損失3,500円の取引ができれば、期待値が2,500円のトレード手法が完成します。
0.6 x 6,500 – 0.4 x 3,500 = 2,500
さらに、利益6,500円、損失3,500円をpips計算すると5万通貨で利益13pips、損失7pipsとなります。
(1万通貨なら65pips、35pipsです)
5万通貨は約500万円分の取引をしますので、資金が100万円であればレバレッジが5倍の取引をしていることになります。
相場は常に変化をするので、トレードの期待値も刻々と変化をしていきます。
勝率80%であった手法の相場がレンジ相場であるなら、トレンド相場に変われば勝率にも影響が出てきます。
定期的に自分のトレードを分析し続けることが大切です。
トレードの具体的な改善方法についてみていきます。
運用サンプルも記載しますので、参考にしてみてください。
トレード回数を増やす以外に利益を増やすには、期待値をより高めることです。
損切り幅、利確幅の調整をして期待値を調整していきましょう。
■現在の手法
勝率50%、平均利益20pips、平均損失10pipsの場合、期待値は5pips
0.5 × 20 – 0.5 × 10 = 5 pips
■改善①損切り幅を15pipsにして勝率が60%に上昇した場合
→ 期待値は6pipsとなり、改善策が有効です。
0.6 × 20 – 0.4 × 15 = 6 pips
■改善②損切り幅を15pipsにして勝率が55%に上昇した場合
→ 期待値は4.25pipsとなり、改善前のトレードの方が有効ということがわかります。
0.55 × 20 – 0.45 × 15 = 4.25
当たり前ではありますが、常に自分の取引がプラスの期待値であることを確認しましょう。
「まず負けないこと」を説くトレーダーは多いです。
退場さえしなければチャンスはまた必ず来るからですね。
よくビジネスを「集客x誘導x購入」の計算式に当てはめて、【ビジネスは科学】と表現しますね。
感情に振り回されるギャンブルではなく、FXも計算に当てはめて考えられれば【投資】の一つとして自身の資産を守る選択肢の一つになるのではないでしょうか。
トレード改善の助けとなるよう、期待値運用サンプルを作成したので参考にしてみてください。
①記入例を参考に、自身のトレード情報を入力します。
②表外にて項目毎に自動集計結果が表示されます。
③平均利益pips、平均損失pips、勝率、期待値(pips)を調整してトレードの改善していきます。
※FX会社毎に集計できるようタブを用意していますが、通貨ペア毎やトレード手法毎など自由にアレンジしてください。
期待値を使うことで、自分のトレードが利益をもたらしてくれる可能性があるのかどうかを確認しました。
さらに補足で一手間を加えることで、退場の可能性を限りなくゼロにするトレード手法になるようブラッシュアップしていきましょう。
トレード経験者なら身をもって感じているかもしれませんが、投資の世界は「生き残る」ことが非常に重要です。
トレード手法の「生き残る確率」を見ていきます。
トレードルールの安全性を確認するために、バルサラの破産確率表を使います。
数学者であるバルサラが考案した表で、勝率と収益率の観点から破産する確率、すなわち投資金額を全額失う確率を算出できる表となっています。
赤色のセルが退場確率100%、逆に青色のセルが退場確率0%で健全な運用ができている領域になります。
使う数値は「勝率」と「損益率」の二つです。
※損益率 = 平均利益 ➗ 平均損失
勝率と損益率の観点から「破産確率」を割り出します。
■勝率50%、平均利益20pips、平均損失10pipsの場合
・勝率は50%
・損益率は2となります。
勝率50%、損益率2を表で確認してみると、破産確率は0.9%です。
この時の期待値はパラグラフ「4.1 損切り、利確を変えていく」で計算しており、期待値はプラス5pipsのトレードとなっていました。
利益をあげることのできるトレードではありましたが、破産確率がゼロではありません。
破産確率は限りなくゼロに近いより、ゼロのものを採用することをオススメします。
この場合の改善方法は、勝率を60%に引き上げるか、収益率を2.8に伸ばすことです。
自身のトレードに対して、期待値を計算するとともに破産確率で最終の確認をしましょう。
利益が取れる、かつ退場もしない。
トレーダーが理想とする取引を二つの計算を取り入れることで近づくことができます。
一手間かけることで、取引の精度をあげることができますので、ぜひ参考にしてみてください。
・期待値があるトレード手法
・破産確率がゼロの手法
それぞれの手法を確立できたら、いざ相場へ挑戦しましょう。
最後に、著名な通貨投資家の言葉をお届けして、締めとしたいと思います。
「まずは生き残れ、儲けるのはそれからだ!」
投資家 :ジョージ・ソロス
近年の国内FXの取引状況は、1年間でトレーダーの6割の人が利益を残していることが調査で分かっています。
意外と多いと感じる数字ではないでしょうか。
利益を残せなかったトレーダーたちは、分析の方法を知らずにマイナス期待値のトレードを繰り返してしまったのかもしれません。
安心・安定したトレードをするために、ぜひ今回の分析方法を一度試してみてください。
たなか
1988年埼玉県生まれ。兼業でFXを始めるも、トータル300万円の損を出して退場。諦めきれず、FXへの取り組み方を一から見直し、ギャンブルでなく堅実なトレードができるよう猛勉強中。これからFXを始める人が自分と同じような経験をされないよう、自戒も込めて、有益な記事となるよう執筆していきます。
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