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2021.07.24 2021.04.10

NZドルの特徴と過去推移から見通しを予想!下落せずこのまま上昇?

この記事で学べること

  • ・ニュージーランドドルの特徴
  • ニュージーランドのこれまでの推移と今後の見通し
  • ニュージーランドはどういった投資が向いているのか
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この記事のライター 渡辺 智

元銀行員として為替には精通。様々な金融商品を販売してきた経験からマイナーな通貨でもわかりやすく説明することをモットーにしているライターとして活動。

「NZドルって今後どうなるの? 上昇するの?」
と疑問に思っていませんか。

そこでこの記事では、NZドルの今後の見通しについて分かりやすく説明をします。

また、過去の推移の重要な局面について詳しく説明しているので、今後の戦略を練る上で参考にして頂けます。

今後NZドルが上がるのか下がるのか、またどういった投資方法がオススメか分かるので最後まで読んで下さいね。

1. NZドルの特徴

NZドル01

この章では、ニュージーランドの政治経済の特徴から通貨としての特徴まで説明をします。

1.1 政治経済の特徴

まず、政治や経済についての特徴です。

政治

まずニュージーランドの政治ですが、ニュージーランドは立憲君主・議員内閣制になります。

行政改革で常に世界に先駆けた取り組みをしてきました。

選挙は3年に1度実施されますが政権交代は非常にスムーズです。

2017年9月の総選挙では国民党が第一党となるも過半数を獲得できず、第二党の労働党が移民反対などの立場をとる老舗のポピュリスト政党「NZファースト」との連立政権を発足させました。

コロナウィルスへの対応ではいち早く感染者ゼロを宣言し評判を上げました。

経済

ニュージーランドの経済は、自由貿易を軸とした経済関係を重視し、各国との自由貿易協定締結に熱心です。

オーストラリアとの所得水準の差を解消するために、減税やR&D促進などの政策で民間投資を促し、生産性向上をつうじた経済成長の底上げに取り組んでいます。

自国通貨安や中国経済の消費シフトは、ブランド力のある乳製品・畜産品、観光サービスの輸出にはプラス要因となります。

新型コロナ問題への対応で、財政は一時的に大幅な赤字になることが予想されます。

1.2 通貨としての特徴

NZドルの2005年からの為替チャートになります。

NZと豪ドルの相関関係2

いくつかのタイミングで大きく下落したり上昇したりしていることがわかりますね。

NZドルの過去に起きた、これまでの推移については後ほど詳しく説明をします。

NZドルは、隣国であるオーストラリアドルの影響を強く受ける通貨です。

オーストラリアは、言わずと知れた資源国なのでニュージーランドも資源国と思われている方も多いと思いますが、実はニュージーランドは一次産業が非常に盛んな国になります。

ニュージーランドは、食肉、乳製品や羊毛などの畜産物の輸出量が多く、全体の約6~7割が一次産品で占められるほどの農業国なのです。

また、貿易相手国はオーストラリアと中国でニュージーランドの貿易総額の全体の4割を占めているため、オーストラリアと中国の影響を非常に受けやすい通貨であるともいえます。

では、NZドルにはどのような特徴があるのでしょうか?これから詳しく説明をしていきますね。

2. NZドルと豪ドルの相関関係

NZドル02

下のチャートはNZドルと豪ドルのチャートになります。

【NZドル】

NZと豪ドルの相関関係2

【豪ドル】

NZと豪ドルの相関関係1

非常に相関関係が高いことがわかりますね。
NZドルは、同じオセアニア通貨の豪ドルと似たような動きをする傾向にあるのです。

豪ドルを基準に割安か割高かを判断されることが多いことも特徴になります。

また、豪ドルよりも金利が高い時期にはNZドルが豪ドルよりも買われる傾向にあるので、NZドルは金利にも大きく左右される通貨といえるでしょう。

先ほども少し触れましたが、豪ドルが資源国のためニュージーランドも資源国であると思われている方が多いですが、ニュージーランドはあくまで農業国です。

なのでニュージーランドの経済自体は、原油や鉄などの資源価格よりも乳製品などの価格に影響される傾向にあります。

またこちらも後ほど詳しく説明しますが、ニュージーランドの金利は先進国の中では、高い傾向にありますので金利が大好きな日本人には特に人気が高い通貨でした。

ニュージーランドは、高金利通貨であったためリスクオン相場のときには買われやすく、リスクオフ側のときには売られやすい傾向がありました。

また、NZドルはアメリカドルや豪ドルなどに比べ取引量が圧倒的に小さいため、短期間でも大きな値動きをする傾向があります。

では、これまでニュージーランドはどのような動きをしてきたのでしょうか?

3. NZドルのこれまでの推移

NZドル03

この章では、NZドルのこれまでの推移について説明をします。

過去の重要な局面について詳しく見ていきましょう。

3.1【2006年後半から2008年】大幅なニュージーランドドル高へ

NZドルは、2006年前半までは弱含む傾向にありました。

しかし、好調な世界経済に引っ張られたことと、長年続いていたニュージーランドの財政赤字が黒字転換したことにより、2006年後半からNZドル高になりました。

NZドル推移01

2006年半ばには一時1NZドル= 70円を割っていた状況でしたが、その1年後には1NZドル= 100円目前まで円安NZドル高になったのです。

このまま好調にNZドルは、推移していくと思われていましたが、2008年9月に皆さんご存知の通りリーマンショックが起こりNZドルも大暴落をしました。

3.2【2008年9月】リーマンショックにより大暴落

順調に値を上げていたNZドルですが、2008年9月にリーマンショックが起こったことで大暴落してしまいました。

100円近くまで一時上昇していたNZドルですがわずかの間に40円台まで下落をしてしまったのです。

NZドル推移02

リーマンショックに関しては、ニュージーランド以外の通貨も大幅な円高になっていますので、NZドルが明らかに弱かったというわけではありません。

むしろ円が強すぎ、過剰なまでに買われたことが原因です。

しかし、他の通貨対比NZドルが大きく下落してしまったことは事実になります。

理由は、NZドルが投機的に買われていたことや取引量が豪ドルに比べ圧倒的に少なかった事から、短期間で大きな値動きをしてしまったことだといわれています。

しかし、2009年からは世界経済の回復の恩恵を受けて5年近く円安NZドル高が続きました。

しばらくNZドル高の傾向が続きましたが、2014年後半に原油価格の暴落を受けてオーストラリアドルが下落したことや、ニュージーランド中央銀行が利下げを示唆したことから、NZドル高の傾向は終焉を迎えました。

3.3 【2018年12月】世界的な景気後退

今まで2つのNZドルの大きな動きは、少し前になりますのでいまいちピンとこない方もいるかもしれません。

ここから挙げる例に関しては、つい最近起きたことになりますので今後の投資の参考によりなるでしょう。

2018年12月は、米中貿易戦争の激化をきっかけに世界的に株や為替等の金融商品が下落をしました。

参考までにNYダウのチャートについて載せておきますね。

ダウチャート

米中貿易戦争の激化だけではなく、中国やヨーロッパで発表された経済指標が良くなかったことや、クリスマスや正月の休暇中に暴落することを恐れた機関投資家が早めに手仕舞いしたことも原因といわれています。

NZドルもこの波に逆らう事はできず、やはり下落してしまいました。

3.4【2019年2月〜2019年8月】利下げ

最近のNZドルの大きな動きで外すことができないのは、2019年2月から2019年8月までにかけて起こったNZドルの下落です。

その時のチャートは以下のようになります。

NZドル推移03

では、なぜこの期間NZドルは下落してしまったのでしょうか?

この半年の間にNZドルが下落してしまった主な理由は2つです。

①NZドルの利下げ観測が続いたこと
②実際にNZドルが利下げをしたこと

それぞれの原因についてわかりやすく説明をしていきますね。

NZドルの利下げ観測が続いたこと

2019年2月7日に発表されたニュージーランドの雇用統計が予想以上に悪かったことを受け、アナリストの間ではNZドルは利下げをするのではないかという予想が強まりました。

また、2019年3月27日に開催されたニュージーランドの政策金利決定会合で、近々NZドルは利下げする可能性が高いという声明が発表されたことでさらにNZドルは下落しました。

実際にNZドルが利下げをしたこと

そして、2019年5月8日の政策金利会合でNZドルは2年半ぶりの利下げを決定しました。

金利は過去最低水準の1.5%に下げられこのタイミングでもNZドルは大きく下落をしました。

さらに追い打ちをかけたのが、2019年5月22日に米中貿易摩擦がさらに激化するのではないかとの報道があったことです。

先ほど説明した通りニュージーランドにとって、中国はオーストラリアに並ぶ最大の貿易相手国になります。

中国経済の動向にNZドルは大きく左右されますので、中国経済の悪化を懸念してNZドルは再度下落をしてしまったのです。

更なる利下げ

2019年8月7日、NZ中銀が政策金利を0.5%%の大幅利下げで過去最低の1%にすると発表しました。

これを受けNZドルは6年8か月ぶりの安値を更新しました。

3.5 【2020年3月】コロナショック

ニュージーランドの主な値動きの最後の項目は、皆さんご存知の通り2020年3月に起きたコロナショップです。

コロナウィルスに世界中がパニックになり、NZドルだけではなくほとんどの株や為替が大きく下落したショックになります。

NZドルはチャートを見ていただければわかると思いますが一時59円台まで下落しました。

NZドル推移04

しかし、ニュージーランドはロックダウンをいち早く行うなど新型コロナウィルスの封じ込めに成功した国ということもあり、その後は順調に回復し2021年4月現在は77円台で推移しています。

いかがだったでしょうか?
過去の値動きの推移を知ることは、今後の投資戦略を練る上で非常に重要です。

特に3番目の以降の値動きに関しては、最近起きたことになりますので今後の投資戦略を練る上でより参考になるでしょう。

ぜひしっかり理解するようにしてくださいね。

4.2021年以降のNZドルの見通し・予想と4つのポイント

NZドル04

それでは、過去のニュージーランドの水について理解できたところで、ここでは2021年以降のNZドルの見通しを予想する上で重要なポイントについて説明をします。

アメリカの動向

アメリカの株価が今後も上昇することが考えるため、豪ドルにとってプラス材料

政策金利の動向

利上げの可能性はひくいためNZドルにとってマイナス材料

中国・オーストラリアの動向

アメリカ大統領が対中貿易強硬派のトランプから中立派のバイデンに変わった事はNZドルにとってはプラス材料

ニュージーランド経済の動向

他国対比ニュージーランドの経済回復は早そうなのでNZドルにはプラス材料

このように色んな材料が混在しているので、NZドルは上がるのか下がるのか明確に言及するのは難しいといえます。

それでは、今後のNZドルの見通しを予想する上で重要なポイントについてわかりやすく説明をしていきますね。

4.1 アメリカの動向

アメリカは、誰がどう見ても世界経済の中心です。

アメリカの動向によって、ほとんどの通貨や株価が左右されることを否定する方はいないでしょう。

現在、アメリカの株価は非常に好調です。

連日のように過去最高値を更新している状況であり、過熱感は少し出てきてはいますがまだまだ回意欲が強い状況です。

今後もアメリカの株価が順調に推移していけば、世界的にリスクオン相場になっていくのでリスクオン相場に強いNZドルは強くなっていく可能性が高いでしょう。

しかし、2021年1月に起きたロビンフッターによるゲームストップ株に対する投機的な動きなど、アメリカの株式市場にも不安材料は出てきています。

今後もし大きな調整があるとすると、NZドルも巻き込まれ大きく下落してしまう可能性もあるといえるでしょう。

4.2 政策金利の動向

NZドルは、金利で買われる傾向にある通貨になりますので、NZドルの今後の政策金利の動向は非常に重要です。

参考までに過去の政策金利の推移についてまとめましたので参考にしてください。

NZ政策金利
(出典元:アイネット証券


今後のNZドルの政策金利ですが、コロナウィルスの影響が収まらず世界的に大きなダメージを受け続けると、さらなる利下げの可能性はあります。

しかし、ニュージーランドの経済自体は回復基調にあり、1月22日に発表された2020年10-12月期の消費者物価が前期比+0.5%と市場予想を上回るなど順調な回復が見込まれています。

ニュージーランドの経済が好調であれば利下げする必要は無いので、まさにコロナウィルスの影響次第といえるでしょう。

4.3 中国・オーストラリアの動向

中国とオーストラリアはニュージーランドにとって最大の貿易国です。

中国とオーストラリアとの貿易額はニュージーランドの貿易額総額の約40%を占めています。

この2つの国にニュージーランドは大きく依存をしているため、中国とオーストラリアの経済の回復動向によってNZドルは大きく左右されるでしょう。

中国は新型コロナウィルスからいち早く回復し、経済回復も早いといわれていますが中国という国の性質上発表する指標が全て正しいとは限りません。

オーストラリアについても原油価格などの資源価格が回復し上昇基調にありますが、こちらも中国に大きく依存をしている国になるため中国経済の動向によっては大きく下落するリスクもあります。

要は、中国経済によってニュージーランドもオーストラリアも大きく左右されるので、NZドルの今後は中国次第といったところになるでしょう。

4.4ニュージーランド経済の動向

ニュージーランド経済は比較的順調に回復をしてきています。

ニュージーランドの実質GDP成長率は、2020年は-7.2%と落ち込みました。

しかし、2021年は+5.9%と米国や日本と比べても高い水準が予想されています。

先ほど、紹介した消費者物価など市場予想を上回る回復をしているので、今後予想通りニュージーランド経済が早く回復すれば、NZドルにとっては大きな追い風になるでしょう。

5. NZドルの投資方法

NZドル05

NZドルは、短期間でも値動きが大きいため一括投資には向かないでしょう。

金利も現在の政策金利は、0.25%と他の先進国と比べて大差はありません。

今、現在金利目当てにNZドルで運用するのが得策ではないといえるでしょう。

しかし、ニュージーランドは、コロナ対策に成功しいち早く世界に先駆けて経済が回復する可能性があります。

経済が回復してくると当然為替は上昇しますし金利も上がる可能性があるでしょう。

そのようなことを考慮すると、NZドルでオススメな投資方法はズバリ積み立て投資です。

次の章で紹介するSBI FXトレードを利用すれば簡単に積立投資をすることができます。

ロスカットに引っかからないために証拠金維持率に気をつけなければなりませんが、レバレッジを低くすれば安定的な運用を期待することができるでしょう。

6. まとめ

為替見通し予想まとめ画像
  • NZドルは「アメリカ経済」「政策金利」「中国・オーストラリアの動向」「ニュージーランド経済の動向」により影響を受ける 特にニュージーランドは中国との関係が密接なので中国経済の動向などは注意して見ていきましょう。
  • NZドルは今後上がるとも下がるとも プラス材料とマイナス材料が混在しているため、上がるか下がるかは明確に言及するのが難しい
  • NZドルは積立投資がおすすめ 現在の政策金利を考えるとスワップポイント狙いではなく、為替も不安定な動きをする可能性があることから、安定的に投資をすることができる積立投資がおすすめです。



今回は、NZドルについて説明をしました。

NZドルはかつてはオーストラリアドルと並ぶ高金利通貨の代表格でしたが、新型コロナウィルスの影響で現在の政策金利は0.25%と非常に低い状態が続いています。

しかし、ニュージーランドは新型コロナウィルスの押さえ込みに世界的に見ても成功している国になりますので、今後大きく経済が回復する可能性があります。

もちろんいつ本格的に回復するかは誰にもわかりませんので、積み立て投資を行ってコツコツ長期投資するのがおすすめです。

ぜひ今回の記事を参考にNZドルの投資を検討していただければ幸いです。


他にも為替の見通しに興味がある方は、よろしければ以下の記事もご覧ください。

◆2021年豪ドル見通し!過去推移から今後を予想。

◆カナダドルの特徴と過去推移から見通し予想!

この記事のライター

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渡辺 智

みずほ銀行にて11年間リテール業務に従事。資産運用担当者のときに、全国約2,000人の営業員の中から5人程度が選ばれる最優秀賞を受賞。年間投資商品販売額は約100億円を達成。 現在は、金融ライターとして活動。わかりづらい金融を誰にでもわかりやすく伝えることをモットーにしています。

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