裁量トレードだけでなく、自動売買でもトレードを開始。 どうすれば順調に利益を上げられるか、日々奮闘中。
確かに、透明性のあるFX会社の方が信頼性は高く、安心してトレードが出来るように思えます。
しかしながら、各FX会社のレートがどうなっているのかは、実際の動きを見るしか方法がありません。
DMM FXは国内口座数1位の非常に人気のあるFX会社で、あまり悪い噂など耳にしません。
しかし、実際に安定した環境でトレードができているのでしょうか?
そこでこの記事では、過去のチャートを使ってDMM FXのレートについて検証してみました。
レートが安定しているかどうか知ることは、予想外の損失を防ぎ、安心してトレードするためにも重要です。
目次
所長が述べたように、DD方式は不透明であることからストップ狩りやレート操作など、FX会社に有利になるような操作をしているのではないかという疑惑があります。
ストップ狩りについては「FXは危険なのか?ストップ狩りやレート操作の噂の原因を明らかにする」をご覧ください。
しかし、普通はそんなことをしているとは考えにくいと思います。
そんなことをすれば、今のネット時代ではアッという間にウワサが広がって、顧客が離れてしまいます。
ストップ狩りをして一時的な利益を稼せぐより、安定したスプレッドでの収益の方が会社にとっても有益ではないでしょうか。
それらの疑惑を晴らすためにも、各社のレートを見ていきたいと思います。
また、怪しいレートの動きがないかだけではなく、レートが安定しているかどうかも一緒に確認していきましょう。
もしも、レートが不安定だと約定しなかったり不利な価格での約定、更には決済ができずに損失が出てしまったなんてことが起こり得ます。
そういったことを避けるためにも、事前にFX会社のレートが安定しているか知ってからトレードをしたいですよね。
それでは、どのように検証するのか紹介していきたいと思います。
15分足チャートを用いて、『DMM FXのレート』と『基準レート』を比較
(更には実際のデータがある場合はレートも確認)
米ドル/円
NDD方式をとっている海外大手FX会社5社のレート平均をとったもの
【海外のNDD方式を基準レートにした理由】
・NDD方式はインターバンクのレートに近い
・NDD方式はDD方式より透明性が高いとされているため
・1社のみでレートが偏るのを避けるため5社の平均を使用
・日本国内のFX会社の検証をするため海外FX会社を使用
【検証期間】
2019年8月1日(木)~9月14日(土)、10月30日(水)
指標時:2019年10月3日(木)、10月4日(金)、11月1日(金)
検証に入る前に、なぜ各FX会社のレートが異なっているのか簡単に解説したいと思います。
各FX会社のレートが異なる理由には、以下の2つが挙げられます。
①. カバー先金融機関の違い
②.スプレッドの差
FX会社は、それぞれ提携している国内外の金融機関(=カバー先)から、リアルタイムでレートを受け取り、その中から有利なレートを選んでトレーダーに提示しています。
FX会社により、カバー先が違うためレートが異なっているというわけです。
また、FXではスプレッドという実質上の手数料を支払う必要があり、スプレッドはFX会社により異なっています。
FX会社はカバー先から受け取ったレートに、そのスプレッドを上乗せしてトレーダーに提示しているので、各社レートに差がでてくるのです。
では実際、レートにどれくらい差があるのか、主要FX会社の同時刻の安値を比較してみました。
【2020年2月6日 15:30 のレート(15分足)】
FX会社 | GMOクリック証券 | SBI FXトレード | DMM FX | YJFX! | マネーパートナーズ |
---|---|---|---|---|---|
レート(安値) | 109.928 | 109.927 | 109.927 | 109.926 | 109.926 |
上記表をみると、確かに各社レートに若干の違いが確認できますね。
通常は、カバー先金融機関から受け取ったレートとかけ離れたレートを提示していないと思われます。
もしも、FX会社間でレートの乖離が大きく見られる場合には、何か操作をしているのだろうかと疑われてしまいますからね。
では、実際にDMM FXのレートを比較していきましょう。
まず、9月2日の月曜日の窓開け時のDMM FXのチャートで、少し気になるところがあったので確認してみます。
朝7時ちょうどのローソク足ですが、下髭が若干【105.900】を下回っているのが確認できるのではないでしょうか。
以下は、その部分を拡大したものです。
では一方の、海外5社平均のチャートです。
チャート上では、少し分かりづらいかもしれませんので、実際のデータを確認してみました。
この際の、海外平均5社の安値は【105.913】でした。
更には、日本国内の主要FX会社の安値とも比較してみましょう。
FX会社 | 各社レート |
---|---|
YJFX! | 105.905 |
GMOクリック証券 * | 105.908 |
SBI FXトレード * | 105.915-918 |
マネーパートナーズ | 105.904 |
外為どっとコム | 105.913 |
FXTF | 105.914 |
*GMOクリック証券とSBI FXトレードに関しては、チャートを目視での確認のためおおよその安値となりますが、どちらも明らかに105.900を下回っていませんでした。
海外5社の平均と国内6社を確認してみましたが、DMM FXのみ少し髭が出ていた状況でした。
その他、検証期間中の月曜早朝(5回)に関しては、大きく窓が開いていないことが多かったことが関係しているのか、海外5社平均と比べて大きな差ははありませんでした。
このことから、特にDMM FXでの月曜日の早朝のトレードに気を付ける必要はないでしょう。
しかし、一般的に月曜日の始まり値は、週末に何かビッグイベントが起こった場合に金曜日の終値とレートが大きく乖離してしまう場合があります。
週末には、予めポジションを決済し持ち越さないなど気を付けましょう。
検証期間中に、合計4回の米国雇用統計の発表があり、そのうち2回、DMM FXのレートが乖離しているところが確認できました。
【DMM FXのチャート】
【海外5社平均のチャート】
チャートを見てみると、海外5社平均はレートの乖離はありませんがDMM FXでは飛んでいます。
他にも、10月4日の雇用統計発表の21:30に、海外5社平均は安定しておりDMM FXのみレートが乖離しているのがチャート上で確認できました。
因みに、この2回とも国内主要FX会社を何社か確認しましたが、レートの乖離はチャート上ではありませんでした。
実は、DMM FXでは、米雇用統計時よりも更に毎回のようにレートが飛んでしまう指標がありました。
まずは、以下のチャートをご覧ください。
【DMM FXのチャート】
【海外5社平均のチャート】
【DMM FXのチャート】
【海外5社平均のチャート】
『DMM FX』、『海外5社平均』のどちらも、レートが乖離しているのが確認できますが、その幅はかなり異なっています。
なぜ、この時間に為替が急変動したかというと【米国ISM製造業景況指数】の発表があったためです。
特に8月・9月の「ISM製造業景況指数」はどちらも、3年ぶり予想外の50割れとなりドルが続落したため、急な変動となったようです。
それ以外にも、7月の「ISM製造業景況指数」発表時である8月1日の22:45にも、上記よりはレートの飛び具合は少ないけれども乖離しており、検証期間中は毎回レートの乖離がみられました。
また、検証期間中ではありませんが、確認できる範囲では2020年の2月3日の『米国1月ISM製造業景況』の際もレートが飛んでいました。
このことから、DMM FXでトレードをする際は【米国ISM製造業景況指数】の発表時は避けた方が良いかもしれませんね。
今述べた以外にも検証期間中で、特に重要指標前後ではなく海外5社平均でレートは安定しているときに、DMM FXはレートが飛んでいることが9回ほど確認できました。(若干の乖離を含む)
【2019年8月27日のチャート】
23時に値飛びしているのが見えるかと思います。
ここでは「米8月消費者信頼感指数」、「米8月リッチモンド連銀製造業指数」の発表がありましたが、重要度が高い指標ではありません。
このことから、DMM FXは他社に比べてレートが飛ぶことが多いように思われます。
【値飛びが起きるとき】
月曜日の窓開け以外に、レートが飛ぶのは極端に流動性が低くなったときです。
今回の例のような、重要な指標前後に特に気を付ける必要があります。
特に米国雇用統計などの発表時には、流動性が低下するため値が乱高下しやすくなり、また発表の結果が予想外だった場合に値飛びを起こすことがあります。
値が飛んでいるときは、レート配信がストップしていたと思われます。
そして、レート配信が再開した時点で、ロスカット値を超えてしまっているというリスクがあります。
確かに8月、9月はトランプ大統領の発言やツイッター(トランプ砲)により、相場が急に大きく変動するということが多くありました。
しかしながら、国内の他主要FX会社でもそういった際にチャート上でレートが乖離していいるのは確認できていません。
以下は、2019年11月1日の雇用統計時の画像です。
上記のレート乖離のところにあたるのでしょうか、DMM FXのレート配信が止まってしまっていますね。
FXやってみた研究所で確認できる範囲で、発表時の21時30分ちょうどから、3秒の間止まっていました。
更には検証期間中ではありませんが、2020年1月10日の雇用統計時も何秒間かは計測できていませんが配信が停止しており、2月7日の雇用統計の際も3秒ほどレートの配信が停止していました。
(FXやってみた研究所調べ)
このことから、DMM FXで取引をする際は「米国雇用統計」や「米国ISM製造業景況指数」など相場が急変動する際はトレードを控えた方が良いと言えるのかもしれません。
ここで、TwitterでFX会社の未カバー率を載せているものを見つけたので紹介しますね。
週間スパ、ザイFXでライターをされていいる高城 泰氏のツイートです。
店頭FX会社が平均証拠金率などの開示を始めました。実効レバレッジを逆算すると利用者のスタイルが透けて見えますね。こんな感じでしょうか↓
— 高城泰 (@takagifx) October 31, 2019
5倍以上の会社=スキャルピング勢中心
5倍以下の会社=スキャ勢+スワップ勢
4倍未満の会社=スキャ勢皆無
そして未カバー率はあの会社だけ異常値… pic.twitter.com/kL0xY1Esph
【未カバー率とは】
未カバー率とは、FX会社がトレーダーからの注文をカバー先金融機関に流す『カバー取引』をしていない割合のことです。
簡単にいうと、FX会社はカバー取引をすることによって、為替変動での損失を防ぐリスクヘッジを行っているのです。
またDD方式で、トレーダーの注文をカバー先金に流さない場合は、トレーダーとFX会社が利益相反することになります。
つまり、トレーダーが負ければFX会社の利益になるということですね。
DD方式について詳しく知りたい場合は、【徹底解説】FXのDD方式とNDD方式ではどちらが有利?をご覧ください。
上記の表では、DMM FXの未カバー率は52%と、他社と比較してかなり高くなっています。
更に調べてみたところ、DMM FXのサイトにも各月の未カバー率が公開されていました。
なぜ、各社がそういった情報を開示しはじめたかというと、2019年の9月より店頭FX取引を行う金融商品取引業者は、リスク情報を提供するため、法令等に基づき以下3項目を開示することが義務付けらたからです。
・未カバー率
・カバー取引の状況
・平均証拠金率
【DMM FX 未カバー率】
上記の表を見ると、なんと10月にはDMM FXの未カバー率は70%を超えています。
10月15日にスプレッドを縮小したことも影響しているのでしょうか。
その後、おおよそ70%前後の高値で定着してしまっています。
しかしながら、未カバー率が高いといって、カバーをしていない部分で「ストップ狩り」や「スリッページ」といったトレーダーにとって不利な操作をしているとは限りません。
ただ、カバーしていない割合が大きいほど、不透明であるとは言えるのではないでしょうか。
また、カバーされていないポジションは、為替相場の変動の影響を直接うけることになってしまいます。
そして、数値が高いほどFX会社の事業リスクが高くなるということです。
DMM FXのカバー先は9社と、他社と比べ多くはありません。
しかし、カバー先の数よりもカバーしていない割合の多さが、急変動の際の『値飛び』などに影響している可能性はあるかもしれませんね。
とはいえ、早朝時や相場が急変動する際のスプレッドは、他社に比べ開き具合は小さいようです。
DMM FXのスプレッドに関する記事『DMM FXのスプレッドを徹底比較。早朝に広がるのは本当か?』はこちらをご覧ください。
DMM FXのレート(米ドル/円)について検証をしてきました。
特に、巷で噂されているような、怪しいところは見られませんでしたね。
また、【未カバー率】が高い点から透明性が高いとは言えないかもしれませんが、実際のレートの動きを検証してきた中からは心配するような点はなかったと思われます。
一方で、レートが安定しているのかという事に関しては、以下の状況においては注意が必要です。
・相場が急変動するとき(重要な指標でない場合も含む)
・特に『米国ISM製造業景況指数』、『米国雇用統計』の発表時
それ以外の通常時のトレードは、スプレッドも安定しているようですし、特に問題はないと言えるのではないでしょうか。
高田 佑美
FXに興味を持つようになり始めたものの、まだまだリスクを恐れ少額でトレード中。 日々、学んだことやトレードで疑問に思ったことを追求し、出来る限り根拠を持った情報を届けるべく記事を執筆しています。
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