2021.04.23

ないものを売るってどういうこと?FXの『空売り』の仕組み

この記事で学べること

  • ないものを売るってどういうこと?空売りの仕組み
  • 図解でわかる空売りで利益をあげる仕組み
  • 空売りのに潜むリスク
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この記事のライター 山口 遼平

プロトレーダーに師事を仰ぐ駆け出しトレーダー。当サイトでは、プロの成功体験から得たノウハウを『FXで勝つための心得』として発信している。

持っていないものを売ることができるFXの「空売り」という仕組み、初心者にはかなりとっつきにくいものではないでしょうか。

しかし、空売りは難しく考えすぎると疑問の沼にハマってしまいます。一度頭をリセットして、空売りの仕組みを1から学べば理解が深まるでしょう。

なぜなら、空売りの仕組みはとてもシンプルだからです。

FXは差益決済取引です。つまり、取引した結果の差益のみ金銭のやりとりが発生するため、買うときも売るときも架空のお金が動いているだけで、実際のお金は動いておりません。本記事を読んでいただければ、空売りはとてもシンプルな仕組みだということを理解できるでしょう。

また、空売りとは値段が下がった時に利益が出るFXの注文方法の1つです。空売りを活用できればFXで利益をより上げやすくなるでしょう。本記事では空売りの仕組みやリスクについて紹介しますが、難しい用語も補足しながら紹介するので、FXにこれから挑戦される方におすすめです。

1. FXで利益を上げる仕組み

空売り1

まずFXで利益を上げる仕組みについて紹介します。仕組みは2つあります。

①安く買って高く売る
②高く売って安く買う

それぞれについて下記より詳しく見ていきましょう。

1.1 安く買って高く売る

安く買って高く売るとは、現在の値段より将来の値段が高くなる時に行う取引です。つまり値段が上がったときに利益となります。FXでは「買いから入る」や「買いポジション」、「ロング」といった表現を使います。具体的に米ドル/円で見ていきましょう。

例えば、米ドル/円が1ドル100円で買いから入ったとします。1ヶ月後、米ドル/円を確認すると1ドル110円になっていました。ここで決済をすると10円の利益が出ます。

このように将来の値段から現在の値段を比較すると、現在の値段は安く見え将来の値段は高く見えるので「安く買って高く売る」といいます。

実際のFXでは10,000ドルや100,000ドル等の単位で保有するので、10ドル上がることで10円の利益しか出ないことはほとんどないです。10円(値上がり益)×10,000ドル(保有ポジション数)=100,000円の利益となります。

1.2 高く売って安く買う

高く売って安く買うとは、現在の値段より将来の値段が安くなる時に行う取引です。つまり値段が下がったときに利益となります。先程紹介した「安く買って高く売る」とは逆の値動きになります。FXでは「売りから入る」や「売りポジション」、「ショート」「空売り」といった表現を使います。

空売りでは将来の値段から現在の値段を比較すると、現在の値段は高く見え将来の値段は安くなるので「高く売って安く買う」といいます。空売りの取引は、保有していない通貨を売ることから始まります。

しかし保有していない通貨を売るということに違和感を感じませんか。買いポジションの場合は、通貨を買ってから売るのでは理解しやすいです。そこで空売りを理解するためにはFXの取引の仕組みから理解することで重要なので下記の章より「空売り」の仕組みについて見ていきましょう。

FXで利益を上げる仕組みのまとめ

・FXは相場上昇時はもちろんのこと、下落時でも利益を出せる

2. 売りから入る【FX空売り】とは?

空売り2

2章ではFXの仕組みを解説しつつ、空売りの詳細について紹介します。

2.1 買っていないのになぜ売りから入れるの?

まずはFXの仕組みから解説します。FXの取引は差金決済取引といわれています。差金決済とは取引によって生じた差額のみを決済する方法です。そのため実際にモノが受け渡たされた過程は存在せず、結果のみが実在する取引になります。

例えば米ドル/円が1ドル100円で買いから入ったとき、実際に米ドルを保有している訳ではありません。つまり外貨が銀行に振り込まれる訳でも、ドルが送られてくることもありません。途中経過は全て空想でのやりとりと考えるとわかりやすいです。

米ドル/円を買いポジション→値上がり→米ドル/円買いポジションを売却=差額がFXにおける一連の流れとなっており、差額が生じることが重要です。

そのため差金決済という取引手法が使われていれば、モノを実際に保有するわけではないので差額が生じる取引であれば、値上がりだろうが値下がりだろうが関係はありません。

FXにはこのような仕組みがあるので空売りという取引が成立します。

2.2 FX空売りで儲かる仕組み

それでは上記のことを踏まえた上でFXの空売りで儲かる具体的な仕組みについてみていきましょう。

例えば、米ドル/円が1ドル100円で売りから入ったとします。1ヶ月後、米ドル/円を確認すると1ドル90円になっていました。ここで決済をすると10円の利益が出ます。決済する時は最初の取引から売りで入っているので、買い戻すイメージとなります。

実際には最終的に買い戻すわけではないので、決済後もドルを保有していません。このように「安く買って高く売る」の作業が逆転しているだけで、儲かる仕組みは「買いポジション」の時と同じです。

売りから入る【FX空売り】のまとめ

・FXは差金決済取引のため空売りが可能

3. 空売りのメリット

空売り3

3章では空売りのメリットを3つ紹介します。

①下落トレンドでも利益が出る
②リスクヘッジ
③手数料

※トレンドとは流れのこと。徐々に上昇していく様や下落していく様を表現します。

3.1. 下落トレンドでも利益が出る

下落トレンドでも利益が出るとは、今までの内容を理解している人にとっては普通のことでしょう。しかし投資において下落トレンドで利益がでない取引があります。それは現物取引です。

現物取引は株式の売買時に利用されます。現物と呼ばれるので、現金を支払うことで株式というモノを手に入れるイメージです。昔は株券が存在していたため株式を手に取ることができましたが、現在は電子化されているので実際に手に取ることはできません。

現物取引ではモノを売買しているイメージなので、持っていないモノを売ることはできず、相場が下がっているときは利益を出す手段はありません。そのため下落トレンド時には上昇するまで相場を待つか、安い時に投資をして仕込むしか方法がありません。

このようにFXは現物取引(株式投資)と比較すると、下落トレンドでも利益が出る仕組みがメリットになります。

3.2. リスクヘッジ

「3.1.」と関連していることですが、FXはリスクヘッジが容易にできます。リスクヘッジとはリスクをできるだけ抑えて取引することです。

例えば、米ドル/円を買いポジションで保有していたとします。相場が徐々に下がってきましたが上がりそうな気配もあります。その時に同じ相場の動きをしているユーロ/円を空売りします。結果、相場がどちらに振れようが損失は最小限に抑えられます。

相場が下がった局面ではユーロ/円を買い戻せば利益になりますし、予想通り相場が上がれば米ドル/円を売れば利益が出ます。これがリスクヘッジとなります。

他にも株式を保有していて相場が一時的に下がりそうなので、米ドル/円を空売りで仕込む等もできるので汎用性が高いです。

FXの空売りは利益を狙うだけでなく、守りにも強いことがいえます。

3.3. 手数料

FXの空売りは株式と比べて手数料が安いです。株式の場合も空売りをできる仕組みはあります。しかし取引する時は証券会社から株式を借り、それを売る作業になるので取引に至るまでの工数が増え、その分支払う手数料も増えます。

FXは通貨を借りることもないので、株式に比べ手数料が安く空売りができます。

空売りのメリットまとめ

・空売りのメリットはリスクヘッジとしても活用でき、取引手数料も安いこと

4. 空売りのリスク

空売り4

これまで空売りのメリットについて解説しましたが、4章では空売りのリスクについて紹介します。空売りのリスクは保有し続けることで資産が減っていくことです。

FXにはスワップポイントという取引ルールがあります。スワップポイントとは別名、金利差調整分と呼ばれています。2国間で生じる金利差をスワップポイントで補う仕組みです。このスワップポイントが空売り時にはリスクとなります。具体的に解説します。

例えば高金利通貨のトルコ リラ/円を空売りする場合を考えてみます。トルコリラ/円を売って保有するとはつまり、トルコ リラを売って円を買うという意味になります。

2021年2月時点のトルコの政策金利は17%で、日本の政策金利は-0.1%なので金利差が約17%あります。トルコリラを保有していれば金利差分を受け取れますが、空売りしているときは保有していないため、金利差分を支払う必要があります。

そのためトルコリラ/円を空売りしている限り、17%分の金利差を毎日支払い続けなければなりません。支払うのは現在の資産からなので、相場が一定の場合は徐々に資産が減っていくことになります。これが空売りのリスクとなります。

しかし高金利通貨を保有していればスワップポイントは受け取れるので、相場が一定の場合何もしなくとも資産が増え続けるというメリットはありますので覚えておきましょう。

空売りのリスクまとめ

・空売りは長期保有には不向き

5. まとめ

空売り5

空売りとは相場下落時にも利益を出せる手法で、FXが差金決済取引のため可能

FXの仕組み上、値上がりでも値下がりでも利益を出せる。相場下落時には空売りを使い、効率よく利益を上げましょう。

空売りのリスクは保有し続けること

FXにはスワップポイントがあり、メリットにもデメリットにもなる。空売り時はデメリットになるので長期で保有するのはリスク。

  • 空売りとは相場下落時にも利益を出せる手法で、FXが差金決済取引のため可能 FXの仕組み上、値上がりでも値下がりでも利益を出せる。相場下落時には空売りを使い、効率よく利益を上げましょう。
  • 空売りのリスクは保有し続けること FXにはスワップポイントがあり、メリットにもデメリットにもなる。空売り時はデメリットになるので長期で保有するのはリスク。

FXの醍醐味は上昇トレンド以外でも利益を出せることなので、相場下落時は空売りを使い利益を狙ってみましょう。また空売りを覚えることでリスクヘッジとしても活用でき、トレードで負ける確率が減るでしょう。

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山口 遼平

プロトレーダーに師事。その成功までの努力と労力の多さを知り『FXは楽して勝てない』ことを痛感。 当サイトでは、FXで勝つための心得を発信している。努力をすればFXで必ず勝てる。