アイネット証券のスプレッド徹底検証!米雇用統計時は上限を超える?

2020.08.02

所長からの問いかけ

国内のほとんどのFX会社はDD方式を採用しており、そのメリットはスプレッドがとても狭いことですが、不透明さががあります。

原則固定スプレッドの指標になる『スプレッド提示率』に関しても、公開していないFX会社も多く、また明確な定義がないことから自社に都合の良い方法で基準を満たしている場合もあるようなので、各社の実際のスプレッドの変動具合を検証してみましょう。

高田 佑美の写真所長に答えて

アイネット証券自動売買の「ループイフダン」が人気のFX会社です。

ループイフダンでは『原則固定スプレッド』ですが、裁量トレードでは上限が設定された『変動スプレッド』が採用されています。
実際には、どれくらいの幅で配信されているか、疑問に思いませんか?

この記事では、アイネット証券をスプレッドの観点から検証してみたいと思います。
なぜなら、スプレッドはFXで勝つために重要なポイントの1つだからです。


検証の結果、アイネット証券は

・変動スプレッドとはいえ、通常時は最小幅で高い割合で配信できている
・米雇用統計時はスプレッドは上限値をかなり超えていた
・早朝時の広がり具合は平均的だった

ということが分かりました。

アイネット証券はスプレッドにおいて、変動制とはいえ通常時は安定した取引ができるFX会社であると言えます。

それでは、詳しく解説していきます。


1.スプレッドとは

スプレッドの画像

1.1 スプレッドはコスト

スプレッドとはFXの実質上の手数料のことです。

1回1回は小さい手数料ですが、数をこなすことで大きい差になります。
特に、スキャルピングなど1日に数多くのトレードをこなす場合は、スプレッドの大きさが致命的になりかねません。

では、スプレッドはどれくらい支払う必要があるのか、実際に例をあげて計算してみたいと思います。

【10万通貨の取引を1日10回する場合】
*スプレッド:0.2銭

スプレッド0.2銭×100,000通貨×10回=2,000円


もし、平日毎日のトレードを1ヵ月続けたとすると40,000円のコストになります。
これを1年間続けたら凄い額になりますよね。

なので、FX取引においてスプレッドは大事だといわれるのです。


1.2 原則固定スプレッド

日本国内のほとんどのFX会社は、【原則固定スプレッド】を採用しています。

また、最近では原則固定スプレッドに適応時間を設けているFX会社も増え、夜中2時ごろから午前8時ごろまで適応外としている会社もあります。(FX会社により時間は異なります。)

原則固定スプレッドとは

基本的に一定のスプレッド幅を採用していますが、「完全固定」ではありません。
これは、スプレッドは基本的に固定されているものの、スプレッド幅が変わることを意味しています。



1.3 スプレッドが広がりやすいとき

では、どういった場合にスプレッドが拡大するのでしょうか。

スプレッドは、主に流動性の低下や為替の急な変動に伴い広がる傾向があります。

例えば、クリスマス・年末年始などの長期休暇期間や、日本時間の早朝5時~8時は、取引量が少なくなるため不安定だと言えます。

また、重要な経済指標の発表前後、各要人の発言があったときなどは、為替レートが急激に変化するためスプレッドが広がりやすくなります。


2.アイネット証券のスプレッド

スプレッド基準比較の画像

アイネット証券は、国内FX会社では少ない変動スプレッドを採用しています。

他社との比較もしながら、アイネット証券のスプレッドについて詳しくみてみましょう。


2.1 基準スプレッド

この記事では、『ループイフダン』ではなく裁量トレードである『アイネットFX』のスプレッドについて述べていきます。

アイネットFXは取扱のある24通貨ペアにおいて、『お客様の取引コストを明瞭化する努力として』スプレッドの上限を設けています。


アイネット証券―基準スプレッド画像

変動ではありますが、最小値に近いスプレッドで多く配信されているか、上限に近いスプレッドが提示されることが多いのかもトレーダーにとっては気になりますよね。


今回は、スプレッドが広がるといわれている早朝米雇用統計時以外に、通常時のスプレッドについても確認してみたので、後程紹介したいと思います。




2.2 スプレッド比較

ここでは、他の国内FX会社のスプレッドと比較してみたいと思います。


(単位:pips)
FX会社米ドル/円ユーロ/円ポンド/円ユーロ/米ドル
アイネット証券0.7~1.81.4~2.02.0~5.20.7~1.5
DMM FX0.20.51.00.4
GMOクリック証券0.20.51.00.4
SBI FXトレード *0.090.30.690.19
FXブロードネット0.20.51.00.3
YJFX!0.20.51.00.4
*1,000通貨までの取引の場合


上記表を見ると、メジャー通貨において他社とかなりの差があることがわかりますね。


3. 通常時のスプレッド

まず、変動制であるアイネットFXのスプレッドを一日数回にわたる(2020年7月、日本時間の朝、昼、夜)検証を5日間してみました。

日頃、スプレッドがどれくらいで提示されているか分からなければ、早朝や米雇用統計時とは比較できないので、まずは通常時のスプレッドを見てみましょう。


3.1 午前中のスプレッド幅

アイネットー午前中スプレッド画像

8時~11時ごろにスプレッドを確認してみたところ、全て上限以下の数値でした。

一番広がっていた時で1.7pips(画像左)でしたが、それ以外は全て最小値である0.7pipsで提示されていました。


3.2 午後のスプレッド幅

アイネット―午後スプレッド画像

午後はおおよそ14時から16時半ごろまでの間で検証をしました。

この時間帯はほぼ落ち着いており、確認できた中で0.8pips(画像右)が最大値で、それ以外は0.7pipsで配信されていました。


3.3 夜のスプレッド幅

アイネット―スプレッド夜画像

夜でも、大体0.7pipsを提示していることが多かったのですが、一度上限値を超え2.3pips(画像右)で配信されていることがありました。> この日は特に経済指標などもなかったようですが、何か他に要因があったのかもしれません。


もちろん、ずっとアプリを開いて一日中検証していたわけではありませんが、アプリを開くと0.7pipsを提示することが多かった印象でした。

今回検証した5日間で、最小値である0.7pipsでスプレッドが配信されたのは、おおよそ90%の割合でした。


4.米雇用統計時のスプレッド【2020年5月8日(金)】

米雇用統計時の画像

まず、2020年5月の米雇用統計時において「米ドル/円」のスプレッドを検証してみました。


この日もまだ、新型コロナウイルスの影響で、スプレッドを原則固定適用外としているFX会社がありました。
しかし、今回はスプレッドにそんなに影響はなかったように思えます


それでは、早速みていきましょう。


【2020年5月8日(金)】

時間経過①21時29分②21時30分③21時33分
スプレッド(pips)0.79.40.7
*FXやってみた研究所調べ


①21時29分

アイネット―雇用統計の画像1

既にスプレッドが広がり始めているFX会社もありますが、アイネット証券は0.7pipsのままです。



②21時30分

アイネット―雇用統計2アイネット―雇用統計の画像12

30分開始ちょうどですが、まだ最大まで広がっていないFX会社もありますが、逆にアイネットFXは既に最大値より狭くなっています。



③21時33分

アイネット―雇用統計2アイネット―雇用統計の画像3

まだ、完全に戻っていないFX会社も確認できますね。



アイネット証券のスプレッドは発表開始10秒前までは、ほぼ1.0pips以下で配信されていましたが、急に最大値9.6pipsまで広がる事態となりました。
しかし、なぜか発表開始時に9.4pipsへ下がっています。

そして、その6秒後には1.9pipsまで落ち着き、26秒後には1.0pips以下に戻る動きでした。


ここで、今回の米雇用統計で一緒に検証した他社のスプレッドの最大値と比較してみましょう。


(単位:pips)
FX会社基準スプレッドスプレッド最大値
DMM FX0.22.5
外為オンライン1.02.0
FXブロードネット0.210.9
GMOクリック証券0.24.0
インヴァスト証券
FX24
変動制6.9
FXTF0.110.0
アイネット証券0.7~1.09.6
ひまわり証券1.09.7
セントラル短資FX0.210.0
*新型コロナウイルス感染症で相場が不安定になっていたため、原則固定スプレッドを停止しているFX会社


半数ほどのFX会社が、かなり拡大しているのが分かりますね。
スプレッドの開きが小さかった2社は、レートの配信が停止していたためスプレッドの広がり具合も小さかったようです。


アイネット証券のスプレッドは、広がり具合は大きいけれども、最大値を維持するのは他社比較でそんなに長くなかったといえます。
一方で、最大値がそんなに大きくなかったFX会社は、スプレッドが完全に戻るまでにかなり時間がかかっていました。

アイネット証券のサイト上に、相場の急変時にはスプレッドの上限値やスプレッド幅は広がる可能性があることが記載されていますが、米雇用統計時には上限値をかなり超えることがわかりました。


5. 早朝スプレッド【2020年2月3日(月)】

早朝スプレッドの画像

次に、早朝のスプレッドについても確認してみましょう。


以下は「FXやってみた研究所」で検証した18社のうち、のスプレッドの開き具合が小さかったTOP5のFX会社です。


(単位:pips)
時間経過基準スプレッド①午前7時00分頃②午前7時30分頃
JFX0.7~1.84.03.4
SBI FXトレード
(1~1,000通貨)
0.090.090.09
FXブロードネット0.21.10.2
FXTF0.11.51.5
みんなのFX0.22.42.4
外為ジャパン0.22.52.0
*【FXブロードネット】は原則固定スプレッドの適用時間は各営業日午前8時~翌午前4時
*【みんなのFX】は午前8:00~翌日午前5:00 まで原則固定スプレッド
*【FXTF】は原則固定スプレッドの適用時間は日本時間午前8:00~翌日午前5:00
※アプリを常時開いてスプレッド値を確認していたわけではないので、最大値が記載より 広がっていた可能性があります


午前7時06分:4.0pips
午前7時32分:3.4pips


アイネット―早朝スプレッド画像

上位5位に入っているFX会社と比較すると、早朝のスプレッドはかなり広がっていたことになります。
しかし、検証した18社の中では平均といったところでしょうか。


午前7時の取引開始時刻には4pipsまで拡大しますが、7時20分頃には一旦スプレッドの上限以下まで戻ります。
その後、再度上限値を超えますが、7時40分には上限以下に戻り0.7pips~1.0pipsで推移していました。


スプレッドが戻っていくのも比較的早いほうで、基準のスプレッド値を考えると悪くなかったと言えるのではないでしょうか。


5.カバー先金融機関

カバー先の画像

5.1 カバー先とスプレッド

私たちが、FXトレードをする際に使われる為替レートは、インターバンク市場での取引が基になっています。

インターバンク市場というのは個人では参加できず、銀行間のみで行なわれている外国為替取引のことです。
FX会社は提携している銀行(カバー先)から提示されるレートを元にスプレッドを決めています。


スプレッドが急に拡大するのは、カバー先金融機関にトラブルが生じていたり、市場のレート急変している場合です。

安定したスプレッドが維持できるように、FX会社は複数のカバー先金融機関と提携しています。
また、数の多さだけでなく良いカバー先と提携することも重要となってきます。


6.2 アイネット証券のカバー先

アイネット証券ののカバー取引先は以下の4社です。


カバー先業態管轄
ドイツ銀行銀行業ドイツ連邦金融監督庁
株式会社外為オンライン金融商品取引業金融庁
OCBC Securities Private Limited証券業シンガポール通貨庁
MILESTONE INVESTMENT AND RESEARCH PTE.LTD.投資業シンガポール通貨庁



カバー先の数は少なく、業態も全て異なっていますね。


7. まとめ

SBIFX-スプレッド画像4

今回の、アイネット証券の米ドル/円の【スプレッド検証】からまとめてみました。


・変動スプレッドとはいえ、通常時は最小幅で高い割合で配信できている
・米雇用統計時はスプレッドは上限値をかなり超えていた
・早朝時の広がり具合は平均的だった


アイネットFXでは、通常時のトレードは安心して行えますが、米雇用統計時のような相場が急変動する際は避けた方が良いのではないでしょうか。




この記事のライター

高田 佑美の写真

高田 佑美

FXに興味を持つようになり始めたものの、まだまだリスクを恐れ少額でトレード中。 日々、学んだことやトレードで疑問に思ったことを追求し、出来る限り根拠を持った情報を読者に届けるべく記事を執筆しています。