楽天FXのスプレッド比較!早朝・雇用統計は9.9pipsに広がる

2020.10.08

所長からの問いかけ

国内のほとんどのFX会社はDD方式を採用しており、そのメリットはスプレッドがとても狭いことですが、不透明さががあります。

原則固定スプレッドの指標になる『スプレッド提示率』に関しても、公開していないFX会社も多く、また明確な定義がないことから自社に都合の良い方法で基準を満たしている場合もあるようなので、各社の実際のスプレッドの変動具合を検証してみましょう。

高田 佑美の写真所長に答えて

楽天FXは楽天証券のFXサービスです。

2016年3月に、スプレッドが突如として1,500pips(15円)に拡大するという事件が起こりました。
更には、2017年7月にもスプレッドが50pips広がるという事態に陥りました。

そんな楽天FXで、安定したトレードができるのか不安に思いますよね。

この記事では、楽天FXをスプレッドの観点から検証してみたいと思います。
なぜなら、スプレッドはFXで勝つために重要なポイントの1つだからです。

検証の結果、楽天FXは

・米雇用統計時・早朝はスプレッドが9.9pipsまで広がる
・広がったスプレッドは早く落ち着く
・完全に基準スプレッドに戻るまでの時間は平均的

ということが分かりました。

楽天FXは、スプレッドにおいて相場の急変時や早朝は安定しないため、トレードを控えた方がよいと言えます。

楽天FXに向いている人

  • 業界最狭水準のスプレッドでトレードしたい人

楽天FXに向いていない人

  • 月曜日の窓埋めトレードをしたい人
  • 動きのある相場でトレードをしたい人

それでは、楽天のスプレッド事件も含め、詳しく解説していきます。

1.スプレッドとは

スプレッドの画像

1.1 スプレッドはコスト

スプレッドとはFXの実質上の手数料のことです。

1回1回は小さい手数料ですが、数をこなすことで大きい差になります。
特に、スキャルピングなど1日に数多くのトレードをこなす場合は、スプレッドの大きさが致命的になりかねません。

では、スプレッドはどれくらい支払う必要があるのか、実際に例をあげて計算してみたいと思います。

【10万通貨の取引を1日10回する場合】
*スプレッド:0.2銭

スプレッド0.2銭×100,000通貨×10回=2,000円


もし、平日毎日のトレードを1ヵ月続けたとすると40,000円のコストになります。
これを1年間続けたら凄い額になりますよね。

なので、FX取引においてスプレッドは大事だといわれるのです。


1.2 原則固定スプレッド

日本国内のほとんどのFX会社は、【原則固定スプレッド】を採用しています。

また、最近では原則固定スプレッドに適応時間を設けているFX会社も増え、夜中2時ごろから午前8時ごろまで適応外としている会社もあります。(FX会社により時間は異なります。)

原則固定スプレッドとは

基本的に一定のスプレッド幅を採用していますが、「完全固定」ではありません。
これは、スプレッドは基本的に固定されているものの、スプレッド幅が変わることを意味しています。



1.3 スプレッドが広がりやすいとき

では、どういった場合にスプレッドが拡大するのでしょうか。

スプレッドは、主に流動性の低下や為替の急な変動に伴い広がる傾向があります。

例えば、クリスマス・年末年始などの長期休暇期間や、日本時間の早朝5時~8時は、取引量が少なくなるため不安定だと言えます。

また、重要な経済指標の発表前後、各要人の発言があったときなどは、為替レートが急激に変化するためスプレッドが広がりやすくなります。


2.楽天FXのスプレッド比較

スプレッド基準比較の画像

ここでは、楽天FXのスプレッドについて他社と比較しながら見てみたいと思います。

また、過去に起こったスプレッド事件についても確認をしてみました。


2.1 基準スプレッド

以下は楽天FXの基準スプレッドです。


楽天FX-スプレッド画像

確かに、業界最狭クラスのスプレッドとなっています。

しかし、スプレッドの狭さだけでなく、実際にどれくらいの割合でそのスプレッドが配信されているかということも重要です。

それを知るために「スプレッド提示率」という指標があるのですが、楽天FXでは公表していません。


2.2 他社とのスプレッド比較

ここでは、他の国内FX会社のスプレッドと比較してみたいと思います。


(単位:pips)
FX会社米ドル/円ユーロ/円ポンド/円ユーロ/米ドル
楽天FX0.20.51.00.4
DMM FX0.20.51.00.4
GMOクリック証券0.20.51.00.4
SBI FXトレード *0.090.30.690.19
FXブロードネット0.20.51.00.3
YJFX!0.20.51.00.4
*1,000通貨までの取引の場合


メジャー通貨においては、他の主要FX会社とほぼ同じくらいの業界最狭スプレッドとなっていますね。


2.3 スプレッド1,500pips(15円)事件

ここで、ネット上で騒がれていた楽天の「スプレッド事件」についても、少し触れてみたいと思います。

2016年3月17日20時40分頃突如として楽天FXのスプレッドが1,503.9pipsまで広がったということです。




原因はレートを誤って配信してしまったということですが、かなり多くのトレーダーが強制ロスカットされ、追証が発生した人も多くいたようです。

もちろん、この後楽天FXが正常レートと異常レートの差額分を入金するなどの対応を取ったということですが、楽天証券のサイト上にはその際の情報が残っていないので詳しいこととは分かりません。



そして、2017年7月17日にも再び事件が発生し、スプレッドが50pipsまで広がったようです。




過去にこのようにスプレッドが拡大する事件が起こっている楽天FXですが、普段はどうなのでしょうか。

スプレッドが広がると言われている早朝や米雇用統計時に、楽天FXのスプレッドがどうなのか実際に検証してみましょう。


3. 米雇用統計時のスプレッドのスプレッドの広がりは?

米雇用統計時の画像

まず、米雇用統計時において「米ドル/円」のスプレッドを確認してみたいと思います。

他社と比べスプレッドの広がり具合がどうだったかも見てみましょう。


3.1【2019年11月1日(金)】

2019年11月の米雇用統計時での米ドル/円のスプレッドです。


時間経過①21時29分②21時30分③21時33分
スプレッド(pips)1.99.90.2
*FXやってみた研究所調べ


①21時29分

楽天ー雇用統計の画像1

既にスプレッドが広がり始めているところが何社かあり、楽天FXでも広がっています。


②21時30分

楽天ー雇用統計の画像2

30分の発表開始ちょうどに、楽天FXはこの日の最大まで広がっています。


③21時33分

楽天ー雇用統計の画像3

この時点で全社のスプレッドは完全に元に戻っていました。



楽天FXのスプレッドは発表開始1分前には1.9pipsまで広がり、発表直後に最大幅である9.9pipsになりました。
しかし、2秒ほど維持しただけで直ぐに2.3pipsまで落ち着きます。
その後1.9pips~3.3pipsの間で推移しており、完全に基準スプレッドに戻ったのは21時31分になってからでした。



ここで、今回の米雇用統計での各社のスプレッドの最大値を比較してみましょう。

(単位:pips)
FX会社基準スプレッドスプレッド最大値
DMM FX0.23.2
SBI FXトレード *0.17~7.802.8
GMOクリック証券0.24.4
外為ジャパン0.23.1
マネーパートナーズ0.34.2
JFX0.38.9
楽天FX0.29.9
*1,001~100万通貨の場合の変動スプレッド



上記データを見ると、DMM FXと外為ジャパンは、あまりスプレッド広がらなかったように見えます。

しかし、実際には発表開始と同時にレート配信がストップしていたため、スプレッドの拡大が抑えられていた可能性があります。

楽天FXのスプレッドは、8社中1番広がるという結果になりました。

ただ、9.9pipsを維持していた時間は短かったといえますが、基準スプレッドに完全に戻ったのは8社中真ん中ぐらいと平均的でした。


米雇用統計時のスプレッドはかなり広がるので、トレードは避けた方が良いでしょう。


4. 早朝にスプレッドは広がるのか?

早朝スプレッドの画像

次に、早朝スプレッドについてはどうなのか検証してみました。

4.1 【2020年2月3日(月)】

以下は「FXやってみた研究所」で検証した18社のうち、早朝のスプレッドの開き具合が小さかったTOP5のFX会社と楽天FXを比較したものです。



(単位:pips)
時間経過基準スプレッド①午前7時00分頃②午前7時30分頃
楽天FX0.29.92.9
SBI FXトレード
(1~1,000通貨)
0.090.090.09
FXブロードネット0.21.10.2
FXTF0.11.51.5
みんなのFX0.22.42.4
外為ジャパン0.22.52.0
*【FXブロードネット】は原則固定スプレッドの適用時間は各営業日午前8時~翌午前4時
*【みんなのFX】は午前8:00~翌日午前5:00 まで原則固定スプレッド
*【FXTF】は原則固定スプレッドの適用時間は日本時間午前8:00~翌日午前5:00
※アプリを常時開いてスプレッド値を確認していたわけではないので、最大値が記載より 広がっていた可能性があります



午前7時00分:9.9pips
午前7時28分:2.9pips



楽天FX-早朝スプレッド画像

楽天FXのスプレッドは、上記のTOP5と比べるとかなり広がっており、比較した18社中2番目に広がった結果となりました。

上位5位に入っているFX会社では、原則固定スプレッドの適用外の時間としているところが3社ありますが、スプレッドの広がりは抑えられていましたね。

一方で、楽天FXでは原則固定スプレッドの時間を設けていないにも関わらず、午前7時開始と同時に9.9pipsまで広がり

その後、2.7pips~4.2pipsの間で推移しており、7時40分頃から1.9pipsに落ち着きました。
標準スプレッドに戻ったのは7時50分頃と早くはありませんね。


窓開けを狙ったトレードは、とてもできる状況ではないと言えます。


5.カバー先金融機関

カバー先の画像

5.1 カバー先とスプレッド

私たちが、FXトレードをする際に使われる為替レートは、インターバンク市場での取引が基になっています。

インターバンク市場というのは個人では参加できず、銀行間のみで行なわれている外国為替取引のことです。
FX会社は提携している銀行(カバー先)から提示されるレートを元にスプレッドを決めています。


スプレッドが急に拡大するのは、カバー先金融機関にトラブルが生じていたり、市場のレート急変している場合です。

安定したスプレッドが維持できるように、FX会社は複数のカバー先金融機関と提携しています。
また、数の多さだけでなく良いカバー先と提携することも重要となってきます。


5.2 楽天FXのカバー先

楽天FXのカバー取引先は以下の23社です。


カバー先業態管轄
シティバンク・エヌ・エイ銀行業英国通貨監督庁
英国プルーデンス規制機構
英国金融行動監督機構
バークレイズ銀行銀行業英国プルーデンス規制機構
英国金融行動監督機構
ジェー・アーロン・アンド・カンパニー(ゴールドマン・サックスグループ)外国為替業等連邦準備制度理事会
モルガン・スタンレー・アンド・カンパニー インターナショナル・ピーエルシー金融商品取引業英国プルーデンス規制機構
英国金融行動監督機構
コメルツバンク銀行業ドイツ連邦金融監督庁
ドイツ銀行銀行業ドイツ連邦金融監督庁
バンク・オブ・アメリカ・エヌ・エイ銀行業米国通貨監督庁
連邦準備制度理事会
株式会社みずほ銀行銀行業金融庁
ノムラ・インターナショナル・ピーエルシー金融商品取引業英国プルーデンス規制機構
英国金融行動監督機構
バーチュフィナンシャルリクイディティプロバイダー米国証券取引委員会
アイルランド中央銀行
豪州証券投資委員会
ジェイピー・モルガン・チェース・バンク・エヌ・エイ銀行業米国通貨監督庁
連邦準備制度理事会
UBS銀行銀行業スイス連邦金融市場監督機構
クレディ・スイス・エイ・ジー銀行業スイス連邦金融市場監督機構
ビー・エヌ・ビー パリバ銀行業フランス金融市場庁
スタンダードチャータード銀行銀行業英国プルーデンス規制機構
英国金融行動監督機構
ステート・ストリート銀行銀行業英国プルーデンス規制機構
英国金融行動監督機構
ナットウエスト・マーケッツ・ピーエルシー銀行業英国プルーデンス規制機構
英国金融行動監督機構
オーストラリア・アンド・ニュージーランド・バンキング・グループ・リミテッド 銀行業オーストラリア健全性規制庁
シタデル セキュリティズ エルエルシー金融商品取引業米国証券取引委員会
金融取引業規制機構
株式会社三菱UFJ銀行銀行業金融庁
ソシエテ・ジェネラル銀行業フランス金融健全性監督破綻処理機構
欧州中央銀行
エックス ティー マーケッツ リミテッドリクイディティプロバイダー英国金融行動監督機構
エルマックス リミテッド多角的取引システム英国金融行動監督機構


楽天FXのカバー先は豊富で、国内外の大手金融機関となっています。

しかし、相場が急変する米雇用統計時や早朝は、毎回スプレッドがかなり拡大するという事態に見舞われています。


今回のスプレッド検証は上記以外の日にちでも行いました。

「FXやってみた研究所」で調べた限り、楽天FXでは早朝でも米雇用統計時でも毎回9.9pipsまでスプレッドが拡大していました。

毎回、同じスプレッド幅まで広がるというのは、カバー先の影響というよりも、楽天FXがリスクヘッジのために広げているからかもしれませんね。


6. まとめ

SBIFX-スプレッド画像4

今回の、楽天FXの米ドル/円の【スプレッド検証】からまとめてみました。


・米雇用統計時・早朝はスプレッドが9.9pipsまで広がる
・広がったスプレッドは早く落ち着く
・完全に基準スプレッドに戻るまでの時間は平均的



ということが分かりました。

楽天FXは、スプレッドにおいて相場の急変時や早朝は安定しないため、トレードを控えた方がよいと言えます。


楽天FXに向いている人

  • 業界最狭水準のスプレッドでトレードしたい人

楽天FXに向いていない人

  • 月曜日の窓埋めトレードをしたい人
  • 動きのある相場でトレードをしたい人

この記事のライター

高田 佑美の写真

高田 佑美

FXに興味を持つようになり始めたものの、まだまだリスクを恐れ少額でトレード中。 日々、学んだことやトレードで疑問に思ったことを追求し、出来る限り根拠を持った情報を届けるべく記事を執筆しています。