裁量トレードだけでなく、自動売買でもトレードを開始。 どうすれば順調に利益を上げられるか、日々奮闘中。
SBI FXトレードは、ネット証券最大手のSBI証券を傘下にもつSBIホールディングスがFX専門として設立した会社です。
会社の経営方針の中に
「取引数量に応じたスプレッドを限りなく最良の条件で誠実に提示」
「経済指標発表時でも安定したレートやスプレッドの提供」
と書かれていますが、実際はどうなのと疑問に思いませんか?
この記事では、SBI FXトレードをスプレッドの観点から検証してみたいと思います。
なぜなら、スプレッドはFXで勝つために重要なポイントの1つだからです。
検証の結果、SBI FXトレードは
①1,000通貨以下の取引は、【早朝・米雇用統計時】でも原則固定スプレッドを維持
②1,001通貨以上の取引では、【早朝・米雇用統計時】のスプレッドも変動制とは言え比較的抑えられている
ということが分かりました。
SBI FXトレードはスプレッドにおいて、業界最狭水準で安定しているので信頼できるFX会社と言えますね。
それでは、詳しく解説していきます。
目次
スプレッドとはFXの実質上の手数料のことです。
1回1回は小さい手数料ですが、数をこなすことで大きい差になります。
特に、スキャルピングなど1日に数多くのトレードをこなす場合は、スプレッドの大きさが致命的になりかねません。
では、スプレッドはどれくらい支払う必要があるのか、実際に例をあげて計算してみたいと思います。
*スプレッド:0.2銭
スプレッド0.2銭×100,000通貨×10回=2,000円
もし、平日毎日のトレードを1ヵ月続けたとすると40,000円のコストになります。
これを1年間続けたら凄い額になりますよね。
なので、FX取引においてスプレッドは大事だといわれるのです。
日本国内のほとんどのFX会社は、【原則固定スプレッド】を採用しています。
また、最近では原則固定スプレッドに適応時間を設けているFX会社も増え、夜中2時ごろから午前8時ごろまで適応外としている会社もあります。(FX会社により時間は異なります。)
【原則固定スプレッドとは】
基本的に一定のスプレッド幅を採用していますが、「完全固定」ではありません。
これは、スプレッドは基本的に固定されているものの、スプレッド幅が変わることを意味しています。
では、どういった場合にスプレッドが拡大するのでしょうか。
スプレッドは、主に流動性の低下や為替の急な変動に伴い広がる傾向があります。
例えば、クリスマス・年末年始などの長期休暇期間や、日本時間の早朝5時~8時は、取引量が少なくなるため不安定だと言えます。
また、重要な経済指標の発表前後、各要人の発言があったときなどは、為替レートが急激に変化するためスプレッドが広がりやすくなります。
SBI FXトレードは通貨数量に応じたスプレッドを適用しています。
また、1~1,000通貨までは『原則固定スプレッド』ですが、1,001通貨以上は『変動スプレッド』となっています。
それでは、スプレッドを見てみましょう。
1,000通貨までは、他のFX会社と比較しても極狭スプレッドを誇っていますが、1,0001通貨以上においても、業界最狭水準となっていますね。
しかし、いくらスプレッド狭くても、それがどれくらいの割合で配信されているのかが大切になってきます。
それを知るために、『スプレッド提示率』という指標があるので、次で解説したいと思います。
なお、SBI FXトレードのサイトには経営方針の1つとして【経済指標時でも安定したレートやスプレッドの提供】が掲げられています。
【経済指標発表時でも安定したレートやスプレッドの提供】
各国の経済指標発表前後でも、安定した流動性を提供し続けます。当社では、当社のカバー先であるSBIリクイディティ・マーケットの厳格なマーケット管理、リスク管理のもと、安定したレート、スプレッドを提示します。
当社では、すべてのお客さまに外国為替市場の醍醐味を堪能していただくために、経済指標発表時でも通常時と変わらぬスタンスで取り組む姿勢が私たちの使命と考えます。もちろん、マーケットの流動性が恒常的に枯渇するなど、インターバンク市場が正常に機能しない状況にあってはこの限りではありませんのでご理解賜りたくお願いいたします。
今回の検証で、実際に『米雇用統計時』に配信されるスプレッドを確認してみたいと思います。
SBI FXトレードは、顧客へは適正性・透明性があり安心安全な取引環境を提供する義務があると考えており、積極的に情報開示を行ってる数少ないFX会社です。
「スプレッド提示率」、「スリッページ実績」、「システム稼働率」を毎月サイト上で公開しています。
「スプレッド提示率」は期間中に基準スプレッドで配信できた割合(実績値)のことで、95%以上なければ「原則固定スプレッド」と名乗ることはできません。
しかし、実は明確な定義がないようで、自社の都合のよい集計方法でその基準を満たそうとするFX会社があるということです。
また、多くのFX会社が「時間割合」におけるスプレッド提示率のみを開示していますが、SBI FXトレードは「時間割合」だけでなく「価格表示回数」におけるスプレッド提示率も公開しています。
それでは、スプレッド提示率を確認してみましょう。
【2020年5月 1~1,000通貨まで】
1,000通貨までは全通貨ペアにおいて、基準スプレッドで100%配信出来ています。
業界最狭水準のスプレッドが100%で配信出来ているのは、「可能な限り基準スプレッドを維持」という会社のポリシーを守っていると言えますね。
また、SBI FXトレードは【変動スプレッド】においても、全通貨ペアのスプレッド提示率を開示しています。
おおよそどれくらいの割合で、スプレッドが配信されているのかが分かりますね。
【2020年5月 スプレッド提示率】
また、各通貨ペアにおいては時間割合における詳細が公表されています。
変動とはいえ、かなり狭いスプレッドで配信できた割合が高いこと分かりました。
ここで、他の国内FX会社のスプレッドと比較してみたいと思います。
FX会社 | 米ドル/円 | ユーロ/円 | ポンド/円 | ユーロ/米ドル |
---|---|---|---|---|
マネーパートナーズ (パートナーズFX) | 0.3 | 0.4 | 0.9 | 0.3 |
DMM FX | 0.2 | 0.5 | 1.0 | 0.4 |
GMOクリック証券 | 0.2 | 0.5 | 1.0 | 0.4 |
SBI FXトレード * | 0.09 | 0.3 | 0.69 | 0.19 |
FXブロードネット | 0.2 | 0.5 | 1.0 | 0.3 |
YJFX! | 0.2 | 0.5 | 1.0 | 0.4 |
上記表を見ると、1,000通貨までの基準スプレッドにおいてはSBI FXトレードが最狭を誇っていますね。
それでは、実際に流動性の低くなる「早朝」と為替が急激に変動する「米雇用統計時」においても、「可能な限り基準スプレッドを維持」「経済指標発表時でも安定したレートやスプレッドの提供」が出来ていたのか確認してみましょう。
まず、米雇用統計時において「米ドル/円」のスプレッドがどうだったのか確認してみましょう。
2019年11月の米雇用統計時(前後)でのスプレッド幅を調べてみました。
時間経過 | ①21時29分 | ②21時30分 | ③21時33分 |
---|---|---|---|
スプレッド(pips) | 0.27 | 2.8 | 0.19 |
【スプレッド縮小】
*現在、SBI FXトレードのスプレッドは1,001通貨~100万通貨までは0.17~7.80pipsの変動制となっていますが、2019年11月1日の時点では0.19pips~7.80pipsでした。
SBI FXトレードのスプレッドは、比較的早くスプレッドが広がり始めていました。
米雇用統計直前の29分42秒には最大値である2.8pipsまで拡大し、30秒間ほど拡大したままでした。
その後、徐々に戻っていき、発表30秒後には基準スプレッドの最小値である0.19pipsに完全に戻りました。
この時他社はまだスプレッドが広がっており、SBI FXトレードの戻りはかなり早かったと言えます。
ここで、今回の米雇用統計での各社のスプレッド最大値を比較してみましょう。
FX会社 | 基準スプレッド | スプレッド最大値 |
---|---|---|
DMM FX | 0.2 | 3.2 |
SBI FXトレード * | 0.17~7.80 | 2.8 |
GMOクリック証券 | 0.2 | 4.4 |
外為ジャパン | 0.2 | 3.1 |
マネーパートナーズ | 0.3 | 4.2 |
JFX | 0.3 | 8.9 |
楽天FX | 0.2 | 9.9 |
SBI FXトレードは7社中一番スプレッドの拡大が抑えられていました。
上記の中には、レート配信がストップしていたため、スプレッドの拡大が抑えられていた可能性があるFX会社があります。
そのことも考慮すると、SBI FXトレードのスプレッドが経済指標時に最大値が2.8pipsだったというのは、企業努力が感じられますね。
また、広がっててから基準スプレッドに戻る早さも、”公正かつ透明性のある取引環境を全力ですべてのお客さまに提供することを第一に取り組む”というSBIグループの姿勢が見られたのではないでしょうか。
次に、早朝スプレッドについても見てみましょう。
まず、2月3日(月)の米ドル/円のスプレッドを比較してみましょう。
比較しているのは「FXやってみた研究所」で検証した18社のうち、早朝のスプレッドの開き具合が小さかったTOP5のFX会社です。
時間経過 | 基準スプレッド | ①午前7時00分頃 | ②午前7時30分頃 |
---|---|---|---|
SBI FXトレード (1~1,000通貨) | 0.09 | 0.09 | 0.09 |
SBI FXトレード (1,001 ~100万通貨) | 0.17~7.80 | 4.8 | 1.58 |
FXブロードネット | 0.2 | 1.1 | 0.2 |
FXTF | 0.1 | 1.5 | 1.5 |
みんなのFX | 0.2 | 2.4 | 2.4 |
外為ジャパン | 0.2 | 2.5 | 2.0 |
【スプレッドの動き】
SBI FXトレードの1,000通貨以下に関しては、午前7時ちょうどでも原則固定の0.09pipsと一切拡大しませんでした。 これはさすがの一言です。
1,001通貨からは、午前7時ちょうどに最大値4.8pipsを提示しました。5分くらいすると2.8pipsに、そして20分頃には1.8pipsまで落ち着きます。
45分からは0.19pipsを維持するようになりましたが、変動スプレッドということもあるので、8時以降いつ最小値を提示したのかは確認が取れていません。
【SBI FXトレード :1~1,000通貨】
①午前7時00分:0.09pips
②午前7時29分:0.09pips
【SBI FXトレード :1,001~100万通貨】
①午前7時00分:4.8pips
②午前7時29分:1.58pips
SBI FXトレードは1,000通貨以下に関しては、【スプレッド提示率100%】というデータが事実だと証明ができましたね。
また、1,001通貨以上では、午前7時の開始直後は上位5社と比べると、若干スプレッドの拡大幅が大きくなりました。
しかし、その後スプレッドは早く戻り始め、7時半には上位3位に入るスプレッド幅という結果になっていました。
会社方針である、『取引数量に応じたスプレッドを限りなく最良の条件で誠実に提示』と思えるスプレッド幅だったのではないでしょうか。
続いて、3月30日の早朝にも検証してみましょう。
しかし、この日は「新型コロナウイルスの感染拡大の影響」で相場が不安定になっていた時なので、各社通常以上にスプレッドが拡大していた可能性があります。
時間経過 | 基準スプレッド | ①午前7時00分頃 | ②午前7時30分頃 |
---|---|---|---|
SBI FXトレード (1~1,000通貨) | 0.09 | 0.09 | 0.09 |
SBI FXトレード (1,001 ~100万通貨) | 0.17~7.80 | 7.8 | 1.58 |
FXTF | 0.1 | 1.5 | 1.5 |
みんなのFX | 0.2 | 2.4 | 1.9 |
外為ジャパン | 0.2 | 3.8 | 1.1 |
DMM FX | 0.2 | 3.8 | 1.2 |
【スプレッドの動き】
1,000通貨までのスプレッドは、相場がコロナの影響を受けている状況にもかかわらず0.09pipsを維持するという驚異的な結果でした。
また、1,001通貨以上に関しては、午前7時ちょうどには基準スプレッドの最大値である7.80pipsまで拡大しました。 やはり、影響がでているということですね。
徐々に拡大幅は落ち着いていき、7時29分には1.58pipsと通常時と同様まで下がりました。
しかし、38分に0.60pipsを提示してからは8時を過ぎてもそのまま維持しており、かなり影響を受けていたとみられます。
【SBI FXトレード :1~1,000通貨】
①午前7時00分:0.09pips
②午前7時30分:0.09pips
【SBI FXトレード :1,001~100万通貨】
①午前7時02分:7.8pips
②午前7時29分:1.58pips
各社通常以上にスプレッドが拡大していた中、Top5のFX会社は拡大幅が通常と比べてもそんなに差がなかったようです。
3月上旬ごろから多くのFX会社で「原則固定スプレッド」の適用を停止していましたが、SBI FXトレードでは継続されていました。
その上で、1,000通貨以下は一切スプレッドが拡大しないという、素晴らしい結果となりました。
1,001通貨以上の取引においては、3月13日の時点において「表示のスプレッド変動幅より拡大することが予想される」と告知していたようですが、この検証ではその変動幅を守っていました。
しかしながら、7時開始直後は上位5社と比べると大きく開いてしまっていました。
ただ、スプレッドが落ち着くのは今回も比較的早かったのではないでしょうか。
私たちが、FXトレードをする際に使われる為替レートは、インターバンク市場での取引が基になっています。
インターバンク市場というのは個人では参加できず、銀行間のみで行なわれている外国為替取引のことです。
FX会社は提携している銀行(カバー先)から提示されるレートを元にスプレッドを決めています。
スプレッドが急に拡大するのは、カバー先金融機関にトラブルが生じていたり、市場のレート急変している場合です。
安定したスプレッドが維持できるように、FX会社は複数のカバー先金融機関と提携しています。
また、数の多さだけでなく良いカバー先と提携することも重要となってきます。
SBI FXトレードのカバー取引先は1社です。
しかし、その1社とは親会社の【SBIリクイディティ・マーケット(株)】のことで、そのカウンターパーティーは国内最大の31社となっています。
提携先金融機関 | 管轄 |
---|---|
オーストラリア・ニュージーランド銀行 | オーストラリア健全性規制庁 |
カナダロイヤル銀行 | カナダ金融機関監督庁 |
クレディ・アグリコル銀行 | フランス金融市場庁 |
クレディ・スイス銀行 | スイス金融市場監査局 |
コメルツ銀行 | ドイツ連邦金融監督庁 |
ゴールドマン・サックス証券 | 米国通貨監督局 米国連邦準備制度理事会 |
シティバンク、エヌ・エイ ロンドン支店 | 英国金融行為機構 英国健全性規制機構 |
JPモルガン・チェース銀行 | 米国通貨監督局 米国連邦準備制度理事会 |
スタンダードチャータード銀行 | 英国金融行為機構 英国健全性規制機構 |
ステート・ストリート銀行 | 米国通貨監督局 米国連邦準備制度理事会 |
ソシエテ ジェネラル | フランス金融市場庁 |
ドイツ銀行 | ドイツ連邦金融監督庁 |
ナットウエストマーケッツ証券会社 | 英国金融行為機構 英国健全性規制機構 |
野村證券 | 金融庁 |
バークレイズ・バンク・ピーエルシー(バークレイズ銀行) | 英国金融行為機構 英国健全性規制機構 |
BNPパリバ | フランス金融市場庁 |
BBVA(ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行) | 欧州中央銀行 |
香港上海銀行 | 香港金融管理局 |
みずほ銀行 | 金融庁 |
三井住友銀行 | 金融庁 |
三菱UFJ銀行 | 金融庁 |
三菱UFJ信託銀行 | 金融庁 |
モルガン・スタンレーMUFG証券 | 金融庁 |
UBS銀行 | スイス金融市場監査局 |
他6社
国内外の大手金融機関がカバー先となっているので、SBI FXトレードは比較的安定したスプレッドを配信できているのではないでしょうか。
今回の、SBI FXトレードの米ドル/円の【スプレッド検証】からまとめてみました。
・早朝・米雇用統計時でもスプレッドは一切拡大せず原則固定を維持
・”コロナ禍”の影響で相場が安定していない時でも、全くスプレッドに影響なし
1,001通貨以上 ・米雇用統計時でもスプレッドは抑えられていた
・米雇用統計時にも拡大したスプレッドが基準値に戻るのが早い
・月曜日の午前7時頃には一時スプレッドは広がるものの、比較的早く落ち着く
上記のことから、1,000通貨以下に関してSBI FXトレードが掲げている、「顧客に安心安全な取引環境」を提供できていると言えますね。
1,001通貨以上の取引に関しても、マーケットに真摯に取り組もうという姿勢が見受けられたのではないでしょうか。
高田 佑美
FXに興味を持つようになり始めたものの、まだまだリスクを恐れ少額でトレード中。 日々、学んだことやトレードで疑問に思ったことを追求し、出来る限り根拠を持った情報を届けるべく記事を執筆しています。
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