2021.04.13

なぜスプレッドは広がるのか?変動するタイミングとその理由を徹底解説【FXの基本⑦】

この記事で学べること

  • FXの手数料『スプレッド』とその仕組み
  • スプレッドが変動するタイミング
  • スプレッドで選ぶ初心者向けのおすすめFX会社
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この記事のライター 山口 遼平

プロトレーダーに師事を仰ぐ駆け出しトレーダー。当サイトでは、プロの成功体験から得たノウハウを『FXで勝つための心得』として発信している。

FXでは取引注文をする時、買値と売値は同額ではありません。この買値と売値の差額が本記事で解説する「スプレッド」です。

海外旅行に行く時の両替所を思い浮かべてください。買値と売値に差がありますよね?FXも同じで買値と売値には差があります。FXではその差額を「スプレッド」と呼び、結果的に手数料としてFX会社に徴収されます。

スプレッドは1取引単位で発生するため、スキャルピングやデイトレード主体のトレーダーにとって、このスプレッドの大小(広狭)がトレード結果に大きく影響します。

本記事の最後では、スプレッドの安い(狭い)初心者におすすめのFX会社をご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

1. スプレッドの基本

FXの基本⑦-1

初心者にとって「スプレッド」は聞き慣れない言葉だと思います。

なぜこのスプレッドという名が付いているのか理解できれば、この後の仕組みや会社選びも頭に入ると思います。

まずはスプレッドの基本を学びましょう。

1.1. スプレッドとは?

スプレッド(spread)とは英語で「広がる、伸びる」という意味です。言葉通り買値と売値の差額が広がったり狭くなったりすることからスプレッドと呼ばれています。

下の画像は実際の取引画面です。

左が売る時(BID)のレートで右が買う時(ASK)のレートです。そしてその間にある「0.2」という数字。これが買値と売値の差額スプレッドです。買値と売値の差額分が会社側への徴収されます。

次にこのスプレッドの見方を見ていきましょう。

1.2. スプレッドの見方

それでは、スプレッドの見方を解説します。

取引画面では、買い・売りそれぞれのレートが表示され、その中間に現時点での差額が表示されれています。上の例では「0.2」と表示されていますね。ここの数字の単位は前記事で学んだ「pips」です。米ドル/円なので、決済通貨である日本円の0.002円が今回のスプレッドとなります。

つまり、この時に買って売った(売って買った)場合、1通貨に対して0.2pipsのスプレッドが発生することを意味します。

上の取引画面を参考に、いくらのスプレッドによる差額が発生するのか計算してみましょう

計算式

(売レート – 買レート) × 取引通貨量 = スプレッドによる総差額

仮に上記レートで1万通貨を買って売った場合

計算式

(103.710 – 103.712) 0.002円 × 10,000通貨 = 20円

20円の差額が発生します。

1万通貨(約100万円)で取引しているのに「たったの20円って安い」思った方。確かにスプレッドの幅が狭い時は安く感じます。

しかし、ここで注意していただきたいのが、スプレッドは常に変動していていることです。

次にスプレッドが狭い時と広い時を比較して、その危険性について理解しましょう。

1.3. スプレッドの広狭比較

スプレッドが広いことで、どれだけの損失が発生するのか例を見ていきましょう。

今回は、「一回のトレードでの損失」と、「取引回数が多いトレードでの損失」の2パターンを解説します。

1.3.1. スプレッド0.2pipsと10pipsの損失比較(トレード回数:1回)

はじめに、スプレッド0.2pipsと10pipsの時に1度トレードした場合の損失比較をみていきましょう。

【前提条件】
・売買タイミング:同時に買いと売りをした場合
・通貨ペア:米ドル/円
・取引通貨量:10万通貨

狭いスプレッド時損失

スプレッド:0.2pips = 0.002円

0.002円 × 100,000通貨 = 200円

広いスプレッド時の損失

スプレッド:10pips = 0.100円

0.100円 × 100,000通貨 = 10,000円

スプレッド0.2pipsが200円の損失に対して、スプレッド10pipsは10,000円の損失です。

この例は少し大袈裟かもしれませんが、ありえない数値ではないのです。スプレッドは変動するため、取引を確定させたタイミングに急激に上がってしまう可能性もあります。

このとんでもないスプレッドを避けるためには、スプレッドが変動するタイミングを理解する必要があります。そこについては後ほど解説します。

1.3.2. スプレッド0.2pipsと0.5pipsの損失比較(トレード回数:100回)

次はスプレッドそのものの差は少なくても、トレード回数が多いとトータルでどれだけ損失していくかみていきましょう。

【前提条件】
売買タイミング:同時に買いと売りをした場合
通貨ペア:米ドル/円
取引通貨量:10万通貨

狭いスプレッド時

スプレッド:0.2pips = 0.002円

0.002円 × 100,000通貨 = 200円

200円 × 100回 = 20,000円の損失

広いスプレッド時

スプレッド:0.5pips = 0.005円

0.005円 × 100,000通貨 = 500円

500円 × 100回 = 50,000円の損失

スプレッド0.2pipsが20,000円の損失に対して、スプレッド0.5pipsは50,000円の損失です。

スプレッドの差は小さいように見えても取引回数が重なると、その差は大きくなることを理解していただけたかと思います。

特にスキャルピングやデイトレードなどの取引回数を積み上げる短期トレーダーは、スプレッドの差が損益に直結するため、できるだけスプレッドの狭いFX会社を選ぶことが重要です。

本記事の最後におすすめのFX会社をご紹介していますので参考にしてください。

スプレッドの概要まとめ

・スプレッドとは、買値と売値の差額のこと。

・スプレッドは常に変動する。

・スプレッドの広狭は損益に直結するため、できるだけ狭いスプレッド会社を選ぼう。

2. スプレッドの仕組み

FXの基本⑦-2

スプレッド次第で大きな損失をしてしまうことは理解して頂けたかと思います。

次にスプレッドの仕組みについて解説します。

理解しておくべきポイントは

・FX会社によってスプレッドの変動方式が違うこと
・スプレッド提示率という指標を出しているFX会社があること

です。

それぞれ解説します。

2.1. 原則固定スプレッド制と変動スプレッド制

FX会社の代表的なスプレッド変動方式は、原則固定スプレッド制と変動スプレッド制の2種類です。

会社選びでとても重要な要素ですので、各特徴は必ず理解しましょう。

2.2.1. 変動スプレッド制

変動制はその名の通り、スプレッドが常に変動している方式です。しかし、日本のFX会社はこの変動スプレッド制をあまり採用していません。

やはり常に変動しているという不安定さ、平常時にスプレッドが高くなる傾向があり、 過去に変動制を採用していた会社も原則固定制に移行しはじめています。そのため、初心者には向いていない方式と言えます。

2.2.2. 原則固定スプレッド制

初心者におすすめなのがこの原則固定スプレッド制です。

原則(基本的には)固定(変わらない)とある通り、ほぼスプレッドは固定されているため、比較的安心して取引ができます。

しかし、原則とある通りスプレッドが広がる(大きくなる)場合があります。これを聞くと「結局、原則固定も変動制と変わらないじゃないか」と思うかもしれません。

確かに完全固定でないためリスクもあります。それでも、「もしスプレッドが変動するタイミング」、「どれだけの割合でスプレッドが固定されているか」がわかれば、スプレッドが広くなる時間に取引をしてしまうリスクをある程度回避することができます。

前者については次の章で解説しますので、まずは後者の「スプレッドが固定されている割合」について解説します。それを判断する指標が「スプレッド提示率」です。

2.2. スプレッド提示率

原則固定スプレッド制を採用している会社が公開している指標が「スプレッド提示率」です。

スプレッド提示率とは、FX会社のスプレッドが固定スプレッドの数値で提示されていた期間を割り出した指標です。つまり、100%に近ければ近いほど、スプレッドが固定されていると解釈できます。

各FX会社が「うちの会社はこんなにスプレッド低いですよ」と宣伝していますが、「どうせ固定されてるの数時間だけでしょ?」というユーザーの疑念があります。 その疑念を晴らすためにFX会社はスプレッド提示率と言う指標を公表し、その透明性をアピールする手段の一つです。

実は、このスプレッド提示率の計測方法は、法令で定められていません。各社のHPで計測方法は公開されていますが、一般的には「原則固定を謳っているスプレッドの値が、計測期間中に占めていた割合」で計測されています。

会社によっては、計算方法にいろいろと条件をつけて優位な値になるようにしているため、会社選びの際にHPを確認しておきましょう。

更にこのスプレッド提示率、実は公開義務も法令で定められていないため、公開すらしていないFX会社もあります。

逆手に取ると、「わざわざ公開しなくてもいいものを公開している。他社より詳細な提示率を公開している = 信頼できる」とも解釈もできます。FX会社選びの際は、「スプレッド提示率の公開有無」「公開情報の内容」を一つの確認項目にしましょう。。

パラまとめ

– スプレッド変動方式は2つある

1. 変動スプレッド制:常に変動するスプレッド

2.原則固定スプレッド制:ほぼスプレッド固定

スプレッド提示率は、原則固定スプレッドがどれだけ担保されているかを表した指標。法令での公開義務がないため、公開の有無や内容でそのFX会社の透明性を判断できる。

3.  スプレッドが変動するタイミング

FXの基本⑦-3

次は実際のトレード時に気をつけるポイント、スプレッドが変動するタイミングです。

スプレッドが変動するのは、以下2つのタイミングです。

・取引量の低い時
・急激な値動き発生時

つまり、これらのタイミングさえ避けることができれば、異常なスプレッドで取引するリスクを回避できます。

「飛んで火に入る夏の虫」にならないように、それぞれの注意点とスプレッドが変動する原因を覚えておきましょう。

3.1. スプレッド広くなるタイミング① 取引量の少ない時

FXでは取引量が少ない時にスプレッドが広くなる傾向があります。

取引量が少ない日本時間は早朝です。特にニューヨーク市場が閉まる6:00 – 8:00は、欧米のトレーダーがその日の取引を終え休みに入り、1日の中でも最も取引量が少ない時間帯となります。

この時間の主要マーケットはオセアニアのみで、当該通貨で取引していない限りはスプレッドが広く、旨味もあまりなので初心者は避けましょう。

3.2. スプレッド広くなるタイミング② 急激な値動き発生時

もう一つは、為替レートが急激に動くタイミングです。この時スプレッドも為替レートに比例して広くなる傾向があります。

その急激な値動きのトリガーとなるのが、ファンダメンタルズ要因です。

アメリカ大統領などの要人発言、東日本大震災などの自然災害、イギリスのEU離脱など、一般人が聞いても「ヤバイ」と思える世界規模の大事件発生時は、為替が急激に動きます。

世界中の投資家がファンダメンタル要因を分析した結果、売りまたは買いに注文が偏るためです。

こういった事態にも迅速に対応できるように、常に世界情勢に対してアンテナを張る習慣を身につけておきましょう。

ここまで、スプレッドが広がるタイミングのお話をしました。次は、なぜこのタイミングにスプレッドが広がるのか、その仕組みについて解説します。

3.3. なぜスプレッドは広がるのか?

結論から言うと「買いと売りの需要と供給のバランスが崩れるから」です。

この原理を理解するために、通貨取引の裏で行われているFX会社の正常な動きを理解するとわかりやすいと思います。

仮に1万米ドルの買い注文をしたとします。すると、FX会社は1万米ドルの売り注文を探し、見つけたら、先程の1万米ドルの買い注文と相殺させています。

かなり簡略化して書きましたが、下のイメージ図の様な動きをしていることをイメージしてください。

需要と供給のバランスが取れていると、取引の裏ではこの様な動きをしています。

では、先程の1万米ドルの買い注文の相手である、1万米ドルの売り注文がいなかったらどうなるでしょう。

売り手がいないため、FX会社はリスクを負って不足分を別の金融機関から調達します。FX会社はこのリスクを取りたくないがために、需要と供給のバランスが崩れたら、意図的にスプレッドを広げてトレーダーたちの偏った売買を抑制します。

これが、スプレッドが広がる大きな要因です。

「取引量の低い時」、「急激な値動き発生時」どちらも需要と供給が崩れる原因になるため、スプレッドが広がりやすくなるというこうとです。

この傾向は全てのFX会社に該当しますが、その中でもスプレッドが広がりにくい会社を選ぶことが重要です。

スプレッドが変動するタイミングまとめ

・スプレッドが広がる2つのタイミング

1. 取引量が少ない時

2.急激な値動き発生時

・スプレッドが広がる原因は、需要と供給のバランスが崩れた時

4.FX会社の選び方【スプレッド編】

FXの基本⑦-4

スプレッドの基本を学んだらFX会社選びです。

スプレッドはFX会社によって原則固定のスプレッドの値やスプレッド提示率など条件が異なります。

ここでは、初心者が選ぶ上で注意するべきポイントと、初心者におすすめのFX会社をご紹介します。

4.1. スプレッドを軸にしたFX会社の選び方

比較のところで解説した通り、スプレッドを甘く見たら痛い目にあいます。特にスキャルピングやデイトレードなどの短期トレードはしっかり選びましょう。

選び方の基準となるのは以下のポイントです。初心者におすすめの通貨米ドル/円を前提

・原則固定スプレッド
・原則スプレッドが狭い
・「取引量が少ない時」、「急激な値動き時」でもスプレッドが狭い
・スプレッド提示率の公開有無且つ詳細なデータを公開している

これら全てを満たしている会社を選ぶのが理想です。

5.  まとめ

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  • – スプレッドとは、FXの手数料で取引通貨に対してpips単位で発生する。 通貨にpipsの値をかけた数値が手数料として徴収される。
  • – スプレッドは売りと買いの需要と供給のバランスが崩れると広がる傾向がある 特に取引量の少ない早朝、世界規模のファンダメンタルズ要因が発生した場合は、需要と供給のバランスが崩れやすい。
  • – 初心者がFX会社を選ぶ際は、原則固定スプレッド、固定スプレッドの狭さ、スプレッド提示率の有無が重要。 スプレッドの狭さは米ドル/円、スプレッド提示率は95%以上が目安になる。

スプレッドの概要とその広がる仕組みを理解していただけたでしょうか。スプレッドはFXの手数料的な位置付けになるので、仕組みを理解して損しないような立ち回りを目指しましょう。

次の記事では、スプレッドと同じく損失に関わり無視することができない「スリッページ」について解説していきます。

この記事のライター

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山口 遼平

プロトレーダーに師事。その成功までの努力と労力の多さを知り『FXは楽して勝てない』ことを痛感。 当サイトでは、FXで勝つための心得を発信している。努力をすればFXで必ず勝てる。